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07/21/2018
1万4400年前のパン
ヨルダンで1万4000年前の「パン」が見つかる(CNN)。つまりは小麦を粉にしたものを焼いたものが多数見つかった、ということなんですが・・・この遺跡は「中石器時代」で本格的な農業が始まる前にすでにそういうモノがあった・・・ということであります。
・・・とは言ってもいきなり「今日から本格的な農業を始めるぞー!」とかそんな明確な区切りがあったわけはなく。ある程度の「農業」的な作業はそれなりに狩猟採集社会に浸透していって、やがて農業が中心となっていった、というところかと思われます。
日本だって縄文期は狩猟採集ばっかりだった、というわけではなく。弥生期という渡来人の技術が本格的に広まった頃に本格的に農業も始まったのでは、ということになっています。
・・・そう言えば縄文式土器に比べて弥生式土器の方がシンプルなのは、煮炊きする機会が増えて色々飾りのついている縄文式だと扱いがメンドくなってきたからだ・・・なんてな話もあるそうで。
それはともかく。いくら中石器と言っても麦くらいは伝わっていたのではないか、と。・・・いや、そうでもないと「パンを焼く」という結構メンドい工程はこなせないかと思われます。・・・まず小麦を粉にする。これだけでも臼も何もなかった頃は石器と石をこすりあわせることで粉にしていたわけですし。さらに・・・酵母の働きは知られていたんだろうか・・・知られていた、とすればその技術を「伝播」していた連中がいたわけで。
そういったあっちこっちとの繋がりがないとパンは焼けません。もちろん現代のようなパン焼き窯があるわけではないのですが・・・それにしたってそれなりの「かまど」も必要となるはずですし。
・・・ある意味で「パン」というものはすでにその頃にはある程度「完成」していた、という見方もできますか。考えてみりゃ技術としては現代とそれほど変わってるわけではなかったりします・・・もちろん、技術の向上というのはありますが、基本的なとこから言うと・・・ですが。
案外石器時代(かなりざっくりした時代区分ですが)と言っても今とさほど変わらなかったんでは・・・とかそんな風にも思えたりします。まあ、人間なんて1万年くらいじゃそれほど変わらんもんでもありますし。
01:44 AM | 固定リンク