12/01/2017
口語と文語
「ら抜き言葉」で抜けているのは実は「ら」じゃない?(Yahoo!:with news) 「ら」ではなくローマ字表記で「ar」つまり
「mirareru(みられる)」
「mireru(みれる)」
・・・「mirareru」ではなく「mirareru」が抜けていったのでは・・・と。感覚としてはたしかにこっちの方がしっくりくるような気もします。
「ら」ではなく「ar」が抜けていったのは話し言葉として変化していったのかも、というのが自分の考えだったりします。
日本には口語と文語というのが元々ありました。前者は「話し言葉」で後者は「書き言葉」、口でしゃべるのと文字で表すのは別の使い方をしていました。例として「ナントカで候(そうろう)」というのがありますがこれは典型的な「文語」で、そのため「候文(そうろうぶん)」という呼び方もされています。
昭和初期くらいまでは一般の人たちもしゃべり言葉と書き言葉は分けていた、とのことであります。・・・実は明治になった頃にいわゆる「言文一致」運動というのが起きて、「語るように記す」人が増えていった・・・ということなんですが、やはり定着には時間がかかっていたようであります。
・・・まあ、勝海舟の父・小吉の「夢酔独言」なんてのも残っていますからそれ以前からそういう向きが全くなかった・・・というわけではないと思われますが。
ともあれ「口語」はどんどん変化していくものであります。特に現代になって「言文一致」がほぼ完了していくと・・・書き言葉の方にも影響されていく、と思われます。
しかし人は変化を嫌うものであります。多分今から30年くらいしたら「ら抜き? 何それ?」ということになってそうですが・・・まあ、その時はその時で別の「正しくない日本語」が出てきそうな気がします。こういうとこ、ちょっと前に述べた「規制」と似てるような気がしないでもありませんけども。
01:01 AM | 固定リンク