« 変化を受け入れよ | トップページ | 分断される? »

09/23/2017

かたいきょうせい

ゾウムシの硬い体は共生細菌のおかげ(Yahoo!:毎日)。ゾウムシとはカブトムシなどと同じく「甲虫」と呼ばれる昆虫であります。このグループは非常に硬い外殻を持っているのですが・・・その中でもゾウムシはトップクラスに硬いことでも知られています。・・・むしろ「硬い」と言うより「すき間がない」とも言えます。寄生バチと呼ばれる他の生き物を昏睡状態にしてから卵を産んで幼虫に食べさせる昆虫がいるんですが、ゾウムシ専門の連中はほんの一瞬だけ、外殻にスキのできるその瞬間を狙って針を打ち込むのだとか。他の昆虫だと比較的?楽に針を刺せるんだそうですが・・・。

動きやカタチがユーモラスなのでファンも多い昆虫ですが、↑実際には害虫も多いです。何しろ植物食なもので・・・作物を食べてしまう。しかもこの外殻なので農薬なんかも効きにくい。
しかしその外殻は共生細菌の協力のもとに・・・と。
これはある意味生物では当たり前なことだったりします。ヒトも例外ではなく・・・腸内に多種多様の細菌を保持しているのはよく知られています。いや・・・腸内だけではなく。もしヒトの身体の細菌全部を殺菌・・・てなことになったら生きていけるのかどうか、かなり怪しいところであります。
だから最近の「とにかく除菌なんでも殺菌、細菌はゼロに・・・!」的な動きを見ていると、ちょっと恐ろしくなってきます。たしかに悪さをする細菌も多く、そういった方面から身を守るのは当然であります。が・・・全部の細菌がヒトにとって「悪」というわけではなく。少し、「余裕」を持ってみてもいいのでは・・・と。

ところで↑記事で最も気になったのは「細菌のゲノム(全遺伝情報)配列を解析したところ、自分が生存するための物質やエネルギーを作るための遺伝子をほとんど全て失っているのに、チロシンを合成するのに必要な遺伝子群だけは残っていた。」(「」内↑記事より引用)というくだりで。それは・・・ゾウムシの一器官となってしまっているのかそれとも確立した生き物なのか。いや・・・実はヒトも含めて諸器官諸組織は実は別の生き物を取り込んでそうなってきた・・・という説もありまして・・・。

01:05 AM | 固定リンク