08/12/2016
可能性はゼロではない
・・・実はすでに結構あちこちにいるかも知れません・・・。
大津市の川に「ウーパールーパー」(Yahoo!:京都新聞) メキシコサラマンダーという名前もありますが、外エラが丸い顔の周りを囲んでいるように見える両生類であります。しぐさや行動がかわいい、と人気のあるペットではあるんですが・・・野生のメキシコサラマンダーは現在は「絶滅寸前」ということで商取引が制限されている・・・というのは前にこの「あれこれ」でも触れたような。
しかし繁殖個体から累代飼育もできるため・・・日本で流通している個体はそういう「養殖個体」ということになります(検索かけると日本では『ほぼ』日本国内での飼育下繁殖個体のみが~という記述が多いんですが『ほぼ』てなんだ、『ほぼ』て)。
品種改良などもされています。真っ白なアルビノも固定されているとか。
なお。終生外エラの出ている「幼体」で過ごす「幼形成熟」という特性を持っています。これは進化の過程で「成体になるための物質の分泌を抑える」性質を獲得。これにより水中という比較的変化の少ない生活の場を手に入れ・・・さらには幼体の方が高い再生能力を終生持ち続けることが可能になりました。
・・・人間から見ると「一生赤ん坊のままなんて」と思われますが、実際にはそっちの方が生存に有利なこともある、ということでもあります。両生類とか爬虫類というのは・・・いやどの生き物でもそうですが・・・人間の考えてることなんか平気で飛び越してしまう習性持ってるのがゴロゴロしてたりします。「人間の尺度」なんてのはホントあてにならないもんだったりしますけども。
それはともかく。・・・そういうのが日本の川に、となると。
明らかに誰かが放したわけですが。・・・原産地はメキシコなんで、じゃあ、冬越せないな・・・と思ったら実は結構低水温にも強い様子であります(逆に高水温にはあまり強くないらしく、飼育する際にはその辺の注意が必要とのこと)。・・・場合によっては・・・条件が揃えば繁殖する可能性もある、かも知れません。
もしそういうことが全国区に広がると生態系への影響は避けれらないことになります。食性は基本的に肉食。・・・現行だとやはり土着のサンショウウオに近いポジションかも知れませんが・・・仮にさほど有利ではない、ということになってもどこにどんな影響が出てくるか、100%明確なことなんて誰にも分からないもんであります。
安易な行為の結果非常によろしくない結末になる可能性は・・・ゼロではないのです。放さなければ可能性はゼロのままですが。
07:03 PM | 固定リンク