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06/26/2016

ちゃぶ台は返すもの

卓袱台。・・・実物を見たことある人の方が今は少ないかも。
岩手・ちゃぶ台返し世界大会、30組がうっぷんや不満を叫ぶ(Yahoo!:毎日)。・・・とは言っても自分の家でもすでにちゃぶ台は一線を退いていたような状況ではありました。祖父母の家に行くとまだあった、という記憶はありますが。
「ちゃぶ台」というのは「座って向かい合う背の低いテーブル」のことであります。
つまり椅子が普及した現在ではなかなかお目にかかれないわけです。が、それ以前の家庭では当たり前にあった「食卓」であります。・・・そう、「床に座って家族みんなでメシを食う」ことに適応したテーブルだったわけです。

なんか「日本の原風景」みたいな捉え方をされることもありますが、実際の普及は明治期に入ってから、とされています。実は江戸期ではそれほど普及してなかったりします。
「膳」というのは今でも「配膳(食事を配る)」で使われたりしますが、武士階級では一人一人にそれぞれ飯やおかずを配っておく「膳」が当たり前でした。庶民もこういった流れで食事をしていたので・・・「ちゃぶ台」でみんなで、というのはある意味奇妙な光景だったかと思われます。
それが戦後から高度経済成長期に入ると西洋のテーブルを「座卓」として使う(テーブルで皆で食事、という風習も広まる)ようになり・・・ちゃぶ台が成立していったわけであります。
なお。常に「皆で食べずに個別に食べてた」わけではなく。例えば囲炉裏というものもあります。そこで煮炊きして皆でつつく、という「鍋」は結構前からあったんでは・・・と思われますけども。

しかし高度経済成長期以降はテーブルと椅子が普及。ちゃぶ台は姿を消していったわけであります・・・。
現在では慣用句としての「ちゃぶ台返し」の方が定着しているような。コレも元は「巨人の星」の星一徹かなあ、ということになりますが、話中で実際に「ちゃぶ台返し」たのは二回のみ。エンディングで毎回「ちゃぶ台返し」てた・・・という話もありますが、なんか返してたのかアレ・・・という話も(実はちゃぶ台を押しのけて飛雄馬を殴ってただけ、とか・・・?)。
まあ、いずれにせよ慣用句として今でも残っている、というのはかなり興味深い話であります。・・・コトによると・・・今後時間が経てば全然違う意味に変貌したりするかも知れません。「え? これって相手を誉めてるんじゃなかったの?」とか・・・そういうのもありそうな?

02:05 AM | 固定リンク