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10/12/2015

カタチのないモノに

金を払いたがらないのは日本人の特性の一つ、という話があります。自分は最近はそうでもなくなってきたかな、とは思ってるのですが・・・100%そうでもない、とも言い切れません・・・。
アニメ制作会社・マングローブ、なせ行き詰ったのか(Yahoo!:まんたんウェブ)。多分に日本的でもあります。「アニメなんて子供だましのお遊びだろ」という考えはアニメ黎明期・手塚治虫の頃からありました(後に手塚氏本人も対応にかなり苦戦することに)が・・・これはある意味今でも残っています。
観る側はともかく。作る側に相応の「圧力」を強いるような現状。・・・底辺はどうにかならないか、という話はテレビなどでも時折目にしますが・・・問題はそれだけではないようであります。

クールジャパンのアニメ、というのは海外でも相当に知名度が上がってきてますが。しかし実際は日本人全員がアニメ大好きというわけでもなく。エンターテイメントとしてもまだまだ「地位」の低いものであります。
・・・実はこういうのはあまり「地位」が上がらない方が自由度は増すのでは・・・という声もあったりしますが。それでも現状として「うーむ」な状況なわけですからどうにかできないか・・・と思うことは不自然ではありません。
結果として今とは全然違う状況に変わってしまっても。

一部のアニメを除くとほとんどのアニメ番組は「DVDやBlu-rayを売るために放送している」、とされています。制作するには結構な額かかるのですが、それを回収しようとするとどうしても何かを売らないといけない。もちろんグッズとかそういうものも売れる場合もあるのですが、大抵の場合は「円盤」であります。
ということは「売れる」アニメにしないといけない。一部のオタク受けしかしないんだろ、という声もありますが・・・やってることは生身のアイドル売り込みとさほど変わらんような気もします。CD売り上げ枚数が全てを判断する。結局「何か」を売らないと回収できない、と。ただ・・・ここまでは別に問題はないと思われます。そりゃあ、何かを「売って」資金回収する、というのは当たり前な話ですし。

ただ。それだけだと通り一辺倒の同じようなモノしかできてこないわけです。・・・アイドルの例にしてみれば、例えばオーケストラやクラシック。あるいは雅楽などのような楽曲ジャンルもきちんと成立しています。爆発的なヒットはしなくても永く続いているジャンル。しかしアニメの場合ほぼ全部が「売れないと続かない」というのが現状なんでは、と自分は思ってます。
楽曲や小説などのようになるには時間が足りない、という話もあります。昔々楽曲が出来始めの頃はやはりウケるのばっかりだったのかも知れません。それが長い時間をかけて今のような多様なエンターテイメントになっていった・・・と。

でもそれじゃ現状は変わらない。「クールジャパン」ということで日本の代表的な産業にしたいのなら政府ももっと考えれば・・・と思うのですが・・・日本人の思考形態の一つに「カタチのないモノに金を払いたがらない」というのがあります。個人の話だけではなく・・・なんか国家もそんな風潮があるのかなあ、と。芸術とか芸能とか、そういうのをあんまり敬わないのもそれに起因しているのかも。
・・・やはり時間が必要なのかも知れませんが・・・今の若い人たちが台頭してくれば、世代交代が起きればまた状況も変わってくる・・・と思うのですが・・・さて?

02:07 AM | 固定リンク