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12/11/2014
これも文化
正月の食卓に「個食化」の波、「一人おせち」好調(Yahoo!:産経)。これを「お正月くらい皆が集まればいいのに」と捉えるか「いや、その方がいいか」ととるかは色々かと。・・・「こうでなくてはいけない」というカタチもないもんでありますから、あまり格式ばるのもどうか、とは思いますが。
・・・でもまあ、個人的には「正月くらいは・・・」とか思ってしまいますが。まあ、その辺は好き好きではあります。
こないだとある番組で「鍋、というのは実は新しい」というのをやってまして。江戸期辺りだと正に「個食化」が作法だったので「皆で鍋をつつく」というのは実は高度経済成長期まで日本では主流ではなかったのでは・・・というものでありました。
実際、武家の食事は基本そういうもので。それぞれに膳がしつらえられてそれぞれで食べます。
が、日本全体でそうだったのか、と言えば・・・どうなんだろう、と。例えば囲炉裏というものもあるわけです。武家ではない家の場合。囲炉裏端で煮炊きして囲炉裏端で皆で食う、という方式もあったんでは・・・と。
おせちも「お節」と書くように元々は季節などの節目に食べるものであります。「正月」というのは今と昔はちょっと、いや大分違っていてかなり儀式めいたところもありました。
例えば・・・前日の大晦日。
この日の夜にヒトの体から天に向かってムシが昇っていく、とされていました。何をしに行くか、と言えばそのヒトの悪事を天のお偉いさんに告げに行く。しかしムシはヒトが眠らないと天には昇らない。じゃあ、起きておけば悪いことを知らせずに済む・・・ということで一晩中起きるようになった、とかそういうのもあります。
その他、正月はお店者(おたなもの)つまり商家で働く者にとっては盆とこの時しか休みがありませんでした。だからご馳走を作って皆で祝う。正月になってまで働きたくないので日持ちのするものを・・・さらに縁起のいいものを・・・と。それが「おせち料理」となった、という話があります。
今は別に盆と正月しか休みがないわけではなく。さらに正月になると実は年始回りが忙しくなるから元旦は皆寝正月決め込んで、翌日は大人はみんな年始回りでばたばた、というわけでもなく。
だから今のおせちが「個食化」してそれぞれ食べるようになっても、まあ、そんなもんではないか・・・と。でも正月くらいはごろごろしよう・・・とかそういうのは残ってますからやっぱりめでたいもんで、祝日なんだな、というのは今でも残っているわけであります。
12:49 AM | 固定リンク