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10/02/2014

毒蜘蛛たち

ゴケグモ類、首都圏でも拡大中(Yahoo!:スポーツ報知)。「セアカゴケグモ」は1995年に日本でも発見された毒のあるクモで、オーストラリアから東南アジア、ヨーロッパからアメリカまで広く分布しています。「ゴケ」とは「苔」ではなく「後家」、つまり「未亡人」の意味であります。噛まれると死亡することがあり、奥さんが未亡人になることから「widow spider」と呼ばれるようになりました。

しかしいわゆる「ゴケグモ類(属)」には20種ほどあって、それらは全部毒を持ちます(メスだけ)。
ゴケグモ類の情報センター(昆虫情報処理研究会)
・・・実は日本に入ってきているのはセアカゴケグモだけではなく。『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』いわゆる「外来生物法」ではクロゴケグモ・ジュウサンボシゴケグモ・ハイイロゴケグモも指定されています(アカオビゴケグモというのが八重山諸島や岩国にいますが外来種なのか在来種なのか?)。
セアカゴケグモはその名の通り「背赤」で背中に赤い模様があるんですが、ハイイロゴケグモは「灰色」や「茶色」が主体。クロゴケグモは黒いんですが「背赤」ではなく腹側に赤い「砂時計」模様があり・・・ジュウサンボシゴケグモは「十三星」なのか背中に黄色い模様がいくつもあります。
・・・つまりよほど知ってる人、そっち系の専門家でない限り毒のあるクモかそうでないのか分からん、ということであります。最もメジャー?なセアカゴケグモのおかげ?で赤い文様のあるクモが恐れられるようになりましたが(逆に害のないクモも恐れられるように)・・・本来、クモはよほどのことがない限りヒトを襲うものではなく。例えば素手で捕まえる、とかそういうことをしない限り文字通り毒牙にかかることはありません。

さらに外来生物法には他にもイトグモ属の3種、ジョウゴグモ科のAtrax属・Hadronyche属の2属全種が指定されています。いずれも「日本国内で見つかってはいるけど定着はしていない」クモではありますが・・・。
そして。実は日本の在来種でも毒蜘蛛はいます。
カバキコマチグモ(Wikipedia)というクモで、沖縄以外の日本全国にいます。かなりの猛毒の持ち主らしいのですが・・・あまり知られていません。ただ、このクモも積極的に人を襲うわけではなく。不用意に素手で掴んだりしなければ問題はない、とのことであります。

「クモ」ということであまりに怖がるのも何ですが・・・逆に軽視するのも、ちょっと。よく知ってみればそこまで恐れることもないものなのですが・・・やはり姿形ですかね、世間一般からするとどんなクモも「殺人蜘蛛」みたいに見られてしまうのはなんだかなあ、という気もするんですが。

04:07 PM | 固定リンク