03/10/2014
海で川魚
「みやざきサクラマス」初出荷(Yahoo!:宮崎日日新聞)・・・実は一ヶ月ほど前に高級魚サクラマス、海での養殖に成功(読売新聞)という記事がありました。
川魚である「ヤマメ」を海で養殖すると「サクラマス」になります。
これはサケの仲間ではよくあることで・・・「イワナ」だと「アメマス」になったりして・・・「降海型」と呼ばれています。海へ降ると基本的にデカくなるので、イワナやヤマメのメータークラスというのはほとんどが一度海に降った個体だと考えられます。・・・つまりまた川へ戻ってきた、と。
別に海に降らなくても産卵はできますし、子孫を残す、ということに関して問題なかったりします。ただ、生育の場所によって色々変化が起きる。
「川」と「海」の最も大きな違いは「塩分濃度」であります。言うまでもなく海の方が高いわけで。水質に敏感な魚類はここまで大きな差ができるとまず生きていけません。・・・塩分濃度の差、というだけではなく。海水魚と淡水魚はそもそもの身体の使い方が違っているからであります。
何度かこの「あれこれ」でも触れましたが。
カンタンに言えば海水魚は塩分を排出する能力を持ってますが、淡水魚にはそれがない。そのため海水魚を淡水に、淡水魚を海水に入れるとうまく適応できなくて死んでしまうわけです(もちろん例外もあるんですが)。
しかしサケの仲間は時間をかけて順応していくことができます。川で孵化したタマゴはやがて若魚となって海へ降る。そしてまた川へ戻ってくる。・・・こういうサイクルが可能、ということはサケの仲間は海に順応させやすい、ということになります。
・・・ただ・・・なんで海に行くと大きくなるのか・・・その辺はどうなんでしょうか、何か理由があるとは思いますが・・・さて。
実は「海で養殖」以外にも魚をデカくする方法はあります。あえて染色体に異常を起こして「三倍体」にして、繁殖に回す労力を身体の方へ回す、とか。しかしコレ、まだ確実ではない上に食べる方に抵抗がありそうな・・・ブドウなんかではフツーに成功している技術なんですが。
実際、「トラウトサーモン」もチリなんかの海で養殖してますし。これで新たな養殖の道が開ける・・・のかも知れませんが、「高級魚」というくくりに入ってるわけですし。やはりスタートは高級魚から、ということでなかなか普及しないもんなのかも知れませんが。
02:03 AM | 固定リンク