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10/07/2013
どこ産か
「ドイツ産」上海ガニ、中国当局が国内販売を拒否(iza!)。「表向き」は「中国の検疫当局側はドイツからの輸出申請や、輸入企業からの検疫申請がないと主張。変異などの可能性を示唆し、『消費者の健康を害し、生態環境を乱すことにつながる恐れがある』として、ドイツ産上海ガニの輸入を否定している」(「」内元記事より引用)とのことなんですが。実際には上海ガニ業界からの何らかの影響があったのではないか、あるいは公的機関による飲食接待規制に絡んだものではないか・・・と。
ターゲットになってるチュウゴクモクズガニは、特に江蘇省蘇州近郊の陽澄湖産のものが高級とされて非常に人気があるんだとか。しかしそこは中国なわけでニセモノも多い。そこで蘇州では本物にはタグを付けてるんだそうですが・・・そのタグも偽造される始末。・・・日本でも時期となれば松葉ガニや花咲ガニが出回りますが、こちらもタグ付けてます。しかし時折偽造タグ付きも出回るとのことで・・・時期もの季節もののニセモノというのはどこでもある問題なのかも知れませんが。
実はドイツではチュウゴクモクズガニが急増している(excite:レコードチャイナ)という話があり、漁業的に被害も出ているとのことで。そこでこの増えすぎたカニを中国本土に送ろう、という業者が出てきたわけですが・・・これが拒否されてしまった、と。
日本には「モクズガニ」という「チュウゴクモクズガニ」とはごく近縁の種がいてぱっと見には区別がつかなかったりします。
「カニ」というと海産のものが多いのですが、このカニは河川や河口で獲ることができます。「モクズ」の名前の由来は特にオスには「はさみ」に毛がたくさん生えていて「藻」のように見えるからであります。・・・日本でも「モクズガニ」を食べる地方はあります。さらに「チュウゴクモクズガニ」も入っては来ています。多くは「バラスト水」と呼ばれる船の重量や均衡調整のために船が吸い込んだり吐き出したりする水に幼生が含まれて各地で増殖・・・というパターンで、カニや貝類などが「外来種」として世界各地に出現してます。
当たり前ですが招かれざる客となるケースも多々。ドイツの場合は現地ではこのカニを食う習慣がない(ヨーロッパ全土でも川ガニを食うところって・・・)のでタダの厄介者になってるわけで。そこでコレ売ってみよう、という業者が現れても不思議ではないのですが。
・・・最高級品とされる陽澄湖産はともかく。安く美味そうな物が買えるのなら・・・ということでドイツ産に人気が集中した、という見方もできます。そして「安全性」ですか。↑記事中にも「ドイツの水は中国の水ほど汚染されていないと思うから」(「」内元記事より引用)という声が載っていたりして。
まあ、モノにもよりますが。国内産の方がイイ、とかなり限定されることが多いと思うのですが外産でもイイ、という声がある、というのは・・・どうなんだろうなあ、と。3日で30万杯もの注文が集まったとのことですし。
いっそのこと中国政府が音頭をとって外産上海ガニの輸入を・・・というわけにもいかないんでしょうなあ。色々事情もあるんでしょうし。その辺はどうにもならないんでしょうかね。
02:56 PM | 固定リンク