09/19/2013
ぶしょね
ワインの風味を落とす物質は微量で嗅覚を遮断する(Yahoo!:時事)。「2,4,6-トリクロロアニソール」と呼ばれる物質で「TCA」と呼ばれています。
ワインではコルク臭がする、というように表現され、このTCAがごく微量あるだけでも元のワインの香りを打ち消すほどに強力なものだ、という風に解釈されてきました。
が・・・実はこの物質は嗅覚をマヒさせるような働きがある、とのことで。つまりワインの香りはきちんと存在しているのに感覚として得ることができない状態になってしまうわけです。
・・・まあ、自分もそれほどワインに通じてるわけでもないんですが。
一時、「コルクでなければコルク臭は出ない」ということでワインの栓はコルクか樹脂かプラスチックかはたまたスクリューキャップか、という論争が起きたことがありました。いや、今でも継続中ですか。さらにコルクを使うことは森林伐採に繋がるから自然保護の観点からも廃止すべきだ、という声もあったりして。
・・・自然保護うんぬんはコルクの農園での採取方法からすれば全くの見当違い(言い出した団体が修正・謝罪したほど)だったんですが。しかし効率よく生産できる「栓」があればたしかにその方がいいかも知れない・・・という流れを加速させたのは事実かと。
ワインの場合。他のビン製品と違うのは「長期保存」がある、ということであります。数年程度なら問題なくてもそれ以上となるとどうなるのか・・・? そこら辺にはまだ問題がありそうではあります。
さて、件の「TCA」ですが。
これはコルクに付いた微生物と塩素類などが反応してできる、とされています。・・・実際には別にコルクじゃなくてもできる時はできるものらしいのですが(微生物やそれ系の物質はコルクだけに含まれているわけではありませんし)。これをいかにして防ぐか、というのがこれまでの方法ではありました。
しかし単純に防ぐだけではなく・・・もし嗅覚をマヒさせうような働きを確実に引き出せるならそれはそれでまた別の分野での応用も効くかも知れません。方向性が違っていても同じ物質を研究する、となるとそこから新たな方向性が生まれて、ワインの風味をさらに損なわなくなるようなこともできるかも・・・知れません。
まあ、酒呑みは基本、ウマイ酒が呑めればそれでいいのですけれど。どんな物質でも知ったこっちゃない、とかそんなもんなんですが・・・でもそこから違った方向性が出ればそれはまた興味深いことなんではないか・・・とかそんなことも思ってしまうのです。
02:06 AM | 固定リンク