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06/28/2013

一滴の血液から

1滴の血液からクローンマウスを誕生させることに成功(理化学研究所プレスリリース)・・・なんかどっかで誤解されてそうですが、これは「一滴の血液からクローンを直接大量に生産できる」というわけではなく。「一滴の血液中の特定の白血球を使って体細胞クローンができる」ということであります。

よく物語などで目にする「クローン」というと、例えば髪の毛一本から本体を再生したりしていますが。
現在主流?なのは「体細胞クローン」という技術であります。・・・これでも大変な技術だったりするのですが。
まず複製したい動物の「細胞」を手に入れます。そしてその遺伝情報だけを同種あるいは良く似た動物の受精卵(ただし核を抜いてある)に挿入。・・・つまり遺伝情報だけを入れ替えてしまうわけです。
後はその受精卵を戻して生まれてくるのを待つ、と・・・複製したい動物の遺伝情報を持った子供が生まれてくる、ということになります。

・・・と、言葉だけだとカンタンなんですが、実際は受精卵との不適合があったり「細胞」の採取が難しかったり。世界初の体細胞クローン成功例はヒツジのドリーですが、明らかに短命で終わってしまいました。そういったクリアしないといけない条件がまだまだあるわけです。
ただ、今回の成功は採取の容易な血液を使う、ということ。その中の白血球の中から高確率で「非リンパ(遺伝情報が再構成されていない)」を選び出せること、などがあります。つまり体細胞クローンであっても従来よりもぐんとやりやすくなった、ということであります。

将来的にはもっと違った方向へ進むかも知れないクローン技術ですが。・・・今回の成功にしても「絶滅動物の複製に・・・」というのがあちこちで聞かれますが。
・・・まだそこまでは難しいんじゃないか・・・とか。絶対的な領域、というか技術としてはまだまだ未完成なんじゃないか、とは思うのですが。

01:09 PM | 固定リンク