« 意識は変わる | トップページ | 二つほど 8/26 »

08/25/2012

笑えない笑い話

むしろ笑ったらなんか悪いような気がする・・・。
「世界最悪の絵画修復」キリスト画に賛否両論(Yahoo!:AFP=時事)。問題の絵はスペイン北東部ボルハ(Borja)の教会にある、スペイン人画家エリアス・ガルシア・マルティネス(Elias Garcia Martinez)が1910年に描いた「Ecce Homo(この人を見よ)」という絵で、キリストが題材となってます。
いわゆる「宗教画」というものでしょうか。いばらの冠をかぶせられたキリストが、やや顔を斜めにして天を仰いでいます。
しかしさすがに100年も経つと劣化が激しくなるもので・・・修復することにしたんだそうであります。

・・・たしかにここでちょっと疑問なのがなんで80歳のセシリア・ヒメネス(Cecilia Gimenez)さんに頼んだのだろうか、と。いや、「善意」で引き受けた、となってますから自発的に修復に取り掛かったのでしょうか。なんだか別記事によれば「2時間」でしかもフレスコ画に「直接」「上書き」していった、とのことですが。
フレスコ画というのは壁に絵を描く方法の一つで、壁面を新しく作りながら(壁土を塗りながら)塗料を染み込ませていきます。描く方も大変ですが(下書きとか難しい)壁土を塗る方にも技術が必要だったりしますが・・・出来上がれば壁の上に絵の具を塗ったわけではないので自然な仕上がりとなります。

その上から描いてしまったわけですが・・・何でどうやって描いたんだろうなあ・・・。
さらに別の、どっかのニュース番組ではアマチュアにしてはかなり上手な方で個展を開いたこともあった、となってましたが肝心の「絵」が出てこなかったので、一体どんな絵を描いてる人だか分かりません。

でもこれが「スペイン」で「教会のキリスト画」というのが、どうも笑ってはいけない話なような気がして。
敬虔な信者が多い国ではあります。セシリアさんもそういった人で、劣化してきたこの絵を新しくして差し上げよう、という宗教心?からこういうことしてしまった・・・のかも知れませんし。我々日本人だと神社やお寺にかかっている「何々神社」とか「何々寺」という額があまりにも劣化してきたから、腕に自信のある篆刻家がその上から彫ってしまった・・・とかそういうことになりそうな。
・・・いや、でもこれはこれでやっぱり笑えないか・・・。そういう気持ちはどこの国にでもある、のかも知れません(当のスペインではギャグ扱いになってるフシもありますが)。

どっかのニュース番組では修復の専門家を呼んで「再修復」できるかどうか検討する、とのことで。まあ、その方がいいのかも知れません。やっぱりあまり「笑って」いいようなお話じゃあ、ないようですし。

02:01 AM | 固定リンク

コメント