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07/20/2012
エイが川をのぼる
アカエイの大群が千葉県の夷隅川を遡上(Yahoo!:毎日)・・・しばらくしたら姿を消した、とのことですが。地元ではそれなりに見ることもある、という話もありますけども。実際、アカエイの産卵期(卵生じゃなくて卵胎生・・・子供を産む)は夏で、浅瀬で産むのでそのノリ?で河口に入ってしまったということはあるそうなんですが・・・結構な大群だったようで、ここまでくると「迷い込んだ」では済まないのではないか、と。
エイを含むいわゆる「軟骨魚類」は基本海に住んでいます。
例外は南米はアマゾン河に住む「淡水エイ」の仲間で、熱帯魚ショップなんかで売ってる場合もあります。しかしこれ以外はまず海にいるのでそれが淡水の川に、というのは大丈夫なのかな、とか思ってしまいそうなんですが・・・。
→水と生命「魚と水」 水大事典 水と生きるSUNTORY サントリー
カンタンに言えば
「海水魚→体内から勝手に水が出ていく→水(海水)を飲む→塩分を排出」
「淡水魚→飲まなくても水が体内に入ってくる→水分を排出」
ということになります。これは「浸透圧」というものによるものであります。水分中の塩分濃度てのは「海水>体内>淡水」となっているので「淡水→体内→海水」の方向へ水分が「移動」していくことになります。そのためこういう仕組みにならざるを得ないわけで、魚によってはこういう機能を持ったり持たなかったりするので、キンギョを海に放せば死んでしまいますが・・・アユやサケは時間をかけて「慣らし」を行うことで体内の機能を変更、淡水から海水そして海水から淡水への移動を可能にしています。
が・・・これらはキンギョやサケなどいわゆる「硬骨魚類」の話であります(ちなみに海生の鳥や哺乳類には『塩管』というのがあって、海水を飲んでもそこから塩分その他を排出することができます)。
ではサメやエイなどの「軟骨魚類」はどうしているか、と言うと・・・ほとんどが海に住んでいるのでそのままでは体内から水分が勝手に失われていくことになります。
そこで体内に尿素を蓄積させて「浸透圧」を海水とほぼ同等にする、という荒業?を使ったりしてます。いや、年代的には塩分排出機能よりもこっちの方が古い可能性が高いので、そもそもはこういうやり方だった・・・のかも知れませんが。・・・なお、この方法では体内に尿素やアンモニアがたまることになり・・・特有の臭みが出てきますが、逆にこのせいで腐りにくくなり、鮮魚の手に入らない山間部などでは重宝されてきた・・・という妙?なことになったりしてます。
でもそれで海生エイがいきなり淡水エイに変わるわけではないのでやっぱり「遡上」というのは何かの拍子に・・・ということなのかな、とか思いますが・・・実際のとこはよー分からんのでしょうなあ。魚、というのは日本人にとっては身近な生き物なんですが、実は解明されていないことも非常に多い生き物だったりするのです。
12:06 AM | 固定リンク