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06/22/2012

第三のヌマガメ

神戸市立須磨海浜水族園が4月下旬から約1カ月、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)で入園料無料になる「アカミミガメ・パスポート」を実施したところ500匹ものカメが(Yahoo!:産経)・・・なんやそんなに入場料惜しかったんかい、という話ではありません。約500匹のうち75%が野生のものでさらに40%が昨年秋に生まれた個体である、と。
アカミミガメ(Wikipedia)

かなり前から日本に定着しているのでは・・・とされてきてましたミシシッピアカミミガメですが。繁殖しているのでは・・・と言うよりすでにしているはずなんですがなかなか調査されない、というのが現状でもありました。
日本在来種であるイシガメと外来種としては先輩とされるクサガメが現在の日本では「二大ヌマガメ」だったんですが・・・1970年代から1980年代頃、アメリカからの輸入が増加。夜店でも幼体をミドリガメとして安価で販売されるようになり・・・やがてそれらが逃げ出したり放されたりして日本の河川に定着していくようになり、その勢力を増していくようになりました。
・・・自分も小学生の頃、デカいミドリガメを川で捕まえたことがあります。ありゃミドリガメなんてものじゃない・・・。
甲らの長さが・・・30cmくらいだったのかなあ(記憶の中では50cmくらいあった、みたいなことになってますがさすがにそれは)。友達と石のすき間に追い込んでゲット。・・・しかし甲らの一部に丸い穴(パンチか何かで開けられたような)があったり、あまりにも大きいのでなんだか薄気味悪く?なりしばらくしてから同じところに返してしまいました。
それが良かったのかどうかは、ちょっと。つい最近、その現場?を訪れたんですが・・・なんか上を高速道路が通ってるわ、護岸工事されてるわ、でなんだか記憶とは大分違ってる場所になってました。

成体は大きさから言えばイシガメやクサガメとそれほど変わらんのですが、目から首へ赤い線が入っているのがほとんどなのでそこから容易に区別できます。なお、イシガメの場合は甲らの後ろの方にギザギザがあり(ガメラのモデルはイシガメで、そのためガメラはギザギザの甲らを回転させて戦う?)、クサガメは目の後ろに黄色い筋があるくらいで全体的に黒っぽい、というところから区別できます。
・・・ただ・・・最近はまた別の外来種カメが放されている、という話がありますんで、全然違うカメがいる可能性もあります。

で、なんで日本でこだけ増えたのか・・・と言えばやはり「夜店のミドリガメ」が大きいかと。しかし元々は北アメリカ原産。ということは輸入されてきたのですが・・・↑のwiki見てたら興味深い記述が。

1950年代アメリカで養殖が始まり、1970年代にかけてアメリカ国内で流通
1975年以降、感染症の原因とされて4インチ以下の幼体の流通規制
・・・国内では流通規制、ということで輸出増加、1980年代以降日本などに大量に輸出

で、現在はその放された個体の子孫が繁栄している・・・ということになってるようです。

実はミシシッピアカミミガメは世界的にも危ないとされていてオーストラリア・韓国・南アフリカ共和国でも輸入が禁止されていて、さらに世界の侵略的外来種ワースト100にも載っているんだそうであります。
・・・日本の外来生物法ではその管理や移動に厳しい制限がかけられる「特定外来生物」ではなく今後そうなるかも知れない「要注意外来生物」に指定されています。・・・一説には「特定外来生物」に格上げ?しちまうと大量の捨てカメが発生してさらに生態系に悪影響を与えるのでは・・・とのことですが。

性質上駆除もしにくい上に研究もほとんどされていない。まあ、外来種だから、と一緒くたに排除しちまっていいのか、という声もあるにはあるんですが。実際、クサガメだって共存してきたじゃないか、と。
いずれにしてもほとんど知らない、では今後の対策も立てようもないわけです。そういうとこから始めないといけないのでしょうけど・・・よく考えてみたらコレ、別にミシシッピアカミミガメだけに限った話ってわけでもないんじゃ・・・?

12:01 AM | 固定リンク

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