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01/16/2012

ちょっと違う意見

日本などアジア原作の作品、白人起用に批判(CNN)。ちょっと違う方面から見た意見ではあります。たしかに日本のマンガやアニメをあっちで映像化すると、ほとんどが白人となりますけれど。そりゃ公開するのがあっちだからそんなもんだろとも思いますけども。
…個人的には別にどんな人間がやろうが関係ない、と思ってます。問題はその作品にある「作品らしさ」を完璧にぶち壊して、いかにもご当地っぽいテイストに塗り替えてしまうことをよしとしてしまうその風土にあるのでは、と。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のケント・A・オノ教授の「アニメの登場人物は現実の人間ではなく架空のキャラクターだから、人種を変えても問題ないというのが製作側の発想だろう」(「」内↑記事より引用)というのは一理あるようなないような気もしますが。
実際、アニメ以外で例えばミュージカルなどの舞台では「中身」だけ輸出されたりしています。つまり脚本や技術だけあっちから来て日本では日本人が演じる。「七人の侍」の西部劇リメイク「荒野の七人」もやってること(あらすじだけなら)は一緒ですけど、実際には別作品のような造りになっています。

それが「ゴジラ」とか「ドラゴンボール」で批判を浴びるのは…こう言っちゃなんですがいかにもチャチな真似事だけで「これがホンモノだ」みたいな表現してるからではないかと思ってます。もちろん日本人から見た「ゴジラ」「ドラゴンボール」ですからあっちの人が見たのとは違いはあるでしょう。
しかしそれにしても…もっと似せるか全然違う方向性に持って行けよ、というのが個人的なとこであります。いや、全然違う方向へ持って行こうとしたけど滑りまくってるのに気づいていない、なんと言うか、バツの悪さみたいなものがあるような。

かなり難しいですけど、原作がアジアだろうがヨーロッパだろうが作品として優れていれば役者が白人だろうが何人だろうが関係ないわけです。しかし原作付きということは確実にその原作と比較される。ましてやアニメや特撮という表現方法は現実世界ではあり得ないことも可能になる。…その辺をどう処理するか? 無理やり現実に引き込んだのが「ゴジラ」で現実と融合させそこなったのが「ドラゴンボール」ではないか、と。
…そもそも原作のご当地でもある日本でもアニメの実写化は難しいですし。それがハリウッドテイストに塗り替えられるのはファンにとっては耐え難いもんでしょうに。

かと言って今度の「AKIRA」を演じるのは全部アジア系です、ってのも…なんかそこまでしなくてもいいような。原作のテイストを一切損なわず作品としてきちんと成り立っていて、面白ければどんな人がやっても売れるとは思うのですが。

04:18 PM | 固定リンク

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