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10/17/2011
スポンサーしょって
「日本初」のプロゲーマー・ゲームやってメシを食えるのか(iza!)。後半はやや趣旨が違ってきるように思いますけど、たしかにアメリカなんかだと「見せる」ゲームプレイというのはうけるかも知れません。
ただ、「日本初のプロゲーマー」というのは大まかなくくりだと文字通りではないような。「ゲーム」を「プレイ」することによってお金を得ている人たちならすでに日本にもいます。テストプレイヤーもそうなりますし。しかしスポンサーをしょってゲーム大会などで賞金を稼ぐ…となるとたしかにこれまで日本では公式にはいなかったような。
これに類するモノはいわゆるコンピュータゲームに限らず色々あったりします。世界的に名の知れたカードゲームだと世界大会があるものもあって、多額の賞金が出ます。…これの日本版、と言うか日本の会社が開発した賞金制カードゲームの大会、とかそういうのが昔あったように記憶しているのですが…あれは今どうなってるんだろ、やっぱり消えてしまったんでしょうか…?
しかしコンピュータにしろカードにしろ。そういうものの「大会」をやって賞金を稼ぐ、あるいはスポンサーがついて収入を得るようになる…というのは日本ではなんだか難しいような気がします。
似たようなところだと囲碁や将棋や麻雀があります。これらは協会があって、認定された「プロ」がいます。が、プロと言っても(賞金はありますが)スポンサーなどがつくわけではなく。パチンコにもいわゆる「プロ」がいますがこれもそういうシステムではありません。
スポンサーの大きな目的は「宣伝」であります。うちの社が出資している選手がこういう大会で勝った、という実績からくる「宣伝」…有名なとこだとカーレースとか。車体にスポンサーロゴなどが表記してあって「サーキット上の宣伝車」とも言えます。もちろん、様々な活動にも関係していて宣伝効果を高めていきます。…単純にCMに出る、とかそういうことだけではなかったりします。
…なんだかこういう活動は欧米の方が強い?のかなあ、と。
「日本人は無形のものにお金を使いたがらない」
というのは誰の言葉だったか…目に見えるモノをお金を払って手に入れる、そいうことに関しては特に抵抗ないのに「相談」とか「助言」とかそういうカタチのないものにお金を払うのを嫌がる傾向がある、と。診療に行くとほぼ必ず薬が出るのは医者の言葉だけだと損をした気になる患者が多いから、とりあえず薬出してるんだ…というかなりウソっぽいのに妙に説得力のある噂があったりします。
欧米などでは普通にある心理療法を目的としたカウンセリング。映画などでよく出てくるゆったりした椅子なんかに患者を座らせたり横たわらせてリラックスさせて対話しながら病因を探っていく。…近年は日本でも増えてきましたけど、話をするだけ?で診療代を払わないといけない…ということで抵抗あったんじゃないか、と。
大会もそれに関係してくるような。特に「ゲーム」となると歴史もなく今でもあまりいい目で見られたりしません。「子供の遊び」だ…とか。そのため例えば↑の日本初のスポンサーしょったプロゲーマーが来日するゲーム大会、なんてやっても人はそんなに集まらないでしょう(本当に好きな人やファンはもちろん行くでしょうけど)。
スポンサーがつく、ということはプレイヤーの収入アップだけではなく「責任感」もアップさせます。自分だけのためにプレイするわけにはいかなくなるからです。目的は大会によって様々ですが、↑のようなゲーム大会だと「魅せて勝つ」とか「目立つ」というのが重要になるかと思われます。…好き、だけじゃ成り立たない世界になってきます。
その分プレイには緊張感が生まれ…大会のレベルも上がっていきます。…日本人は無形のものにお金を使いたがりませんが、例外もあります。旅行とスポーツ観戦であります。スポーツ観戦に関してはやはり「プロ」が長年に渡って培ってきた土壌というのが関係しているかと。野球もサッカーもスポンサーしょったプロが華麗なプレイを見せてくれます。
そういうとこまで「ゲーム」も辿り着くことができたら話が違ってくると思うのですが…少し、いやかなり時間が必要なのかも知れません。今現在の20歳から30歳前後の人たち、てのは生まれた頃からゲームが身の周りにあった世代であります。こういう人たちが本当の意味での社会の中心になってきたら…また状況も違ってくるかも知れません。
そして、それはゲームだけに限ったことではない、と思うのです。
04:14 PM | 固定リンク