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10/26/2011
危険が分からん
というのが実情でしょうか。
外来生物法の特定外来生物等一覧記載の「カオジロガビチョウ」千葉で見つかる(Yahoo!:Sankei)。画像みる限りだとツグミ…? とか思ってしまうのですが明らかに違う部分もあったりして(つぐみはあそこまで顔に白い部分が多くなかったような)。
→ガビチョウ(Wikipeda)
→特定外来生物等一覧(環境省)
大きさはヒヨドリ程度。…分かりやすく言うと「スズメよりも大きくてカラスより小さい」ってとこですか。
ヒヨドリは関東では冬鳥として知られていて、灰色っぽい体で頬にうっすらと橙色の模様があります。柿とかそういう実を好み、その手の木の枝にとまっててスズメにしちゃデカイなあ…なんか威張ってるなあ…さらに「ヒーヨ、ヒーヨ」とでっかい声で鳴いたらほぼ間違いなくヒヨドリだったりします。ついでに飛ぶ時に波型を描くことでも知られています。つまり飛んでる最中になぜか翼を収めるので…一旦上がって一旦下がる、を繰り返すわけです。
これよりちょっと小さいのにムクドリがいますがこちらは深いこげ茶色の体で頬は白、クチバシは黄色の上に集団で行動してますんで見分けがつきやすい冬鳥ではあります。飛ぶ時も普通ですし。
一方のツグミ…ですが。長らく?食用ともされてきた野鳥なんですが現在では「一応」捕獲が禁止されています。
これは大きさはヒヨドリ程度なんですが、木の上よりもどちらかと言えば地上を好みます。で、そこで虫とか実なんかを食べてます。冬に日本にやってくる鳥なんですが…場所でないとお目にかかれない鳥だったりします。
…↑の「カオジロガビチョウ」の英名は「White-browed Laughingthrush」直訳すると「マミジロワライツグミ(ガビチョウ=画眉鳥なんでやっぱり眉の存在が大きい?)」という…ツグミとは分類上は離れてしまうんですが(両方ともスズメ目なんですがこれが異常?にすそ野が広い…何せヒヨドリもスズメ目)似ているところからこういう英名がついたのかそれとも適当な鳥名がなかったからこうなったのか…その辺は分かりませんが格好としては似ているんでは…と思えるものではあります。
このガビチョウには「カオジロ」の他に「ガビチョウ」と「カオグロガビチョウ」という三種があります。…「カオグロ」と言っても別に顔が黒いガングロなわけではなく…いや、実際に黒いか。英名で「Masked Laughingthrush」直訳すると「カメンワライツグミ」という…本当に顔だけ黒い鳥だったりします。
このガビチョウというのは良い声でさえずる、と中国では人気なんだそうで。そこで日本でも輸入してみたところ…やはり声は良いらしいんですが、その声がデカい。中国なんかの金持ちの鳴き合わせならいいんでしょうけど、日本の住宅事情だといささか合わない。
さらに日本で鳥を飼う、となるとジュウシマツとかセキセイインコとかブンチョウとか。大抵はスズメサイズなんですがこれは…ちょっと大きい。さらにむき餌(普通に小鳥屋さんで売っている皮むいた穀物)ではなくすり餌(すり下ろした穀物などを水などで溶いて与える…和鳥のメジロなどでは当たり前のエサ)しか食わない、ということで段々と面倒がられてきた、とのことで。そりゃあ…デカイ声で鳴く上にいちいち自分ですり餌こさえないといけない、となったらイヤになってくる人も多いかと。
…この辺のとこ、昭和50年代辺りに人気のあったスピッツという犬に似ているような。白いふわふわした毛で可愛らしい犬なんですが鳴き声が高くて鋭い。番犬としてはたしかに優秀なんでしょうけど室内犬の愛玩犬となるとちょっと…と敬遠されて現在は消えてきてる犬種なんだとか。
そういうわけでガビチョウそのものもカオジロガビショウもいわゆる「かご抜け」という飼育下から逃げ出した個体が各地で繁殖。ガビチョウは高雄山でも見ることができるそうな。そして群馬県か茨城県だけ、とされてきたカオジロガビチョウも千葉県へ…?
…藪や低木で営巣、ということで恐らく現行でヒトにはなーんも被害があるとは思えません。しかし…ガビチョウ三種とソウシチョウ(中国から入って来た鳴禽)を含むチメドリ科、というのは実は↑の環境省の特定外来生物等一覧で唯一載っている「鳥類」だったりします。
ハワイでの前例もあります。その辺から警戒を…明らかに図体でかいですから同じように藪で営巣するウグイスなんかにとってはたまらん事態になるかも知れません(ヒトに限らず体が大きい方が明らかに有利)。それに今では予測もつかないようなことになる…かも知れません。その辺は、たしかにまだ分からんのですけども。
…推移だけは見守っていって頂きたいなあ…とは思うのです。何かあってからでは取り返しもつかない。だけど何があるか…まだ確証はない。そういう状況なんですがなんかそれなりの手(非常にあやふやですが)ってのはないもんかな…とか思ってしまうのです。…今はまだ、その危険が分からなくても。ホント、こういうのは何が起きるか分からんもんばかりですし。
01:20 AM | 固定リンク