09/09/2011
まずは無事な帰還を
願いたいところではあるのですが。
NASAがISS(国際宇宙ステーション)の無人化計画に着手(Yahoo!:ロイター)。スペースシャトル・オービターの退役によりISSまで「ヒト」を運べる・地上へ帰ることのできる機体はロシアのソユーズだけになってしまいました。しかもアメリカのNASAは今後は火星などへの飛行を中心にしていく、とのことで…ISSなどの軌道上の開発は民間に委託する、と。実際、火星へ何か飛ばす、というのは民間ではなかなか難しい話ではあります。お金もそうですが、技術も。…これまでNASAが培ってきた技術ならばたしかに…とは思いますがそれでも難しいもんではあります。それはそれでまたある意味楽しみな面もあるにはあるんですが。
…こう言っちゃなんですがNASAが手を引いた形になってしまったため、現在各民間会社で軌道上へ打ち上げる「競争」が起きてます。やはりそれはそれでこっちも今後が楽しみ?なんですが…実際問題として「今」ISSに「ヒト」を打ち上げることはロシア以外できないわけです。…もうしばらくしたら分かりませんが。
ロシアのソユーズ、というのは米ソの冷戦の頃から、NASAのアポロ計画の前から運用していたものであります。…とは言ってもあの当時のモノそのままを今動かしているわけではなく。最新の設備や技術が惜しみなく注ぎ込まれているはずであります。…でもカッコはあの当時のままなんですよねえ…外見はほとんど変わってない。
さらにこのソユーズ、事故が少ないことでも知られていました。宇宙開発てのは事故の歴史でもあります。もちろん開発当初はあったのでしょうけど、最近はあんまり聞かない優秀なものでありました。
それが…先月無人貨物船プログレスの打ち上げを失敗。ソユーズではないのですが、システムはほぼ一緒。そのためソユーズは詳細解明のため今後の打ち上げを延期。…ソユーズが行けない、ということはISSには「ヒト」が行けない、ということになってしまいます。
現在ISSには六人の宇宙飛行士が。そしてソユーズが一機、ドッキングしています。これで今月中に三人が帰還予定。日本人宇宙飛行士古川さん含む三人は予定では11月中旬頃に帰還…なんですがこれもソユーズなのでさらに遅れる可能性も。しかも場合によっては帰還だけで新規に誰かをISSに送ることができないかも知れない、という…。
「ISSの無人化」と言っても恒久的なものではなく一時的なものにはなりそうなんですが。しかし一度無人化してしまうと…それにISS計画そのものも恒久的なもんではありませんし。やっぱり有人飛行可能な機体を他にも軌道上へ…というのがいいんでしょうけど、昨今の事情をみるかぎりなかなか難しそうではあります。
12:18 AM | 固定リンク