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07/03/2011

ただ愛でるのではなく

香港の高層ビル屋上に「農園」(CNN)…これに類したことは日本でも世界各地でも行なわれていたりします。「屋上緑化」とかそういうもので…ヒートアイアランド現象による都会の酷暑を防ぐ役割もあるのでは、という話もあったりします。植物というのは水分の塊みたいなもんですから、熱い空気との間に置いて気化熱(水が蒸発する時に熱を奪っていくことを期待しての放熱効果)を利用しての冷却、というのは非常に面白いアイデアではあります。
…古来から例えば素焼きのツボに水を~というのはよくあったアイデアではあります。これは素焼き=釉薬をかけていない=中の液体がほぼダイレクトに外気に触れる…ことを利用しての一種の冷却術ではありました。逆に、水分を非常に欲しがる植物にとっては素焼きの鉢、というのはどんどん水分が抜けていってしまうためあまり良くない、とされていたりします。

その植物が、どうなのかなー、というのが最近気になっていることだったりします。
こないだ、某情報番組?で社内で「緑化」している企業を取り上げてました。外壁をツタ性植物で覆う「緑のカーテン」はもちろん、水耕栽培による社内での野菜の育成。水耕栽培なのは余計な雑菌がつかないことへの配慮かと思われます。土、というのは実は意外と雑菌の温床になっていて、中には人間に悪さするのも(悪さどころじゃないのも…)いたりするので水耕栽培の方がコントロールしやすいのは事実だったりします。
で、まあ、社内で「収穫」されたミニトマトなんかを試食していたのですが。
…そうカンタンにあんな見事なミニトマトができるもんなのかな、と。そりゃ、そこはテレビですからある程度の「作り」はあるかと。しかし、それにしてもあんだけのもんがあの室内で、日照の良くない場所でできるもんなのかな…と。
アルミで照明の乱反射を期待する、みたいなこともやってたんですが…逆になんだかなあ、と。葉っぱの緑が豊かなのもミョーに気になりまして。いや、繰り返しますがテレビ的な「作り」は多分あると思うのです。が…なんだかなあ、と。

椅子の下でスプラウト、というのもやってたんですがこっちの方がまだ分かりやすい。
さらにその後「農園付きマンション」みたいなのもやっていて。「自分で作った野菜を自分で食べることができたら嬉しい」みたいなコメント。…そうカンタンなもんじゃねえんじゃないでしょうか、と。都会の一等地?でそれこそネコの額みたいな土地で野菜作る。「シェアハウス」というくくりなので一人じゃないと思います。けど…手間もかかるし色々な作業もある。そんなのを全部できるんだろうか、この人たちが、と。

失敗込みで何度も挑戦可能、とか、有料でプロのアドバイスが受けられます、というのならなんとなく分かるんですが(そういう情報は一切ナシ…いや、ホントはそういうのがあるのかも知れんのですが)シロウトがいきなりやってもなあ、と。「社内緑化」にしても年がら年中作物がなってるわけじゃない。枯葉も舞えば茎も腐る(一年生の野菜ばかりでしたから)。そういうとこはどうするんだろう、と。…まあ、ああいうところですから外注の業者さんとかいるのかも知れません。それならそれでアリだと思うのですが、なんかカンタンに考えてやしないか、と。

こう思うのは自分が植物をいくつか育てているせいでもあると思います。西向きの部屋なので午後の光が強い。強すぎて陽光に弱いのは真っ先に枯れる。じゃあ室内に入れると今度は日照不足で枯れる。結局光の強い午後には弱そうなのを中に入れ、朝には外に出す。それでも枯れるもんは枯れる…。
何か原因があって枯れるわけです。それが全部解明できない。毎年毎年手探り状態。基本、「育てやすい」「頑強な植物」を育てているのにそんなのばっか(草系ではなく樹木系が多いのは適応力の高さの違いなのかな…多分)。シロウトの自分がこうなんですからプロの人たちはもっと苦労して真っ赤なミニトマトや立派なキュウリを育てているわけです。
ただ育てているわけではないのです。そこにはかわいいとか愛らしいとかそういう感情だけではなく、様々な苦悩や忍耐があったはずなのです。

そういうとこも全部含めて、じゃあ、屋上緑化や緑のカーテン、社内植物やりましょうか…ではないか、と。↑の香港の屋上緑化にしても全部プランター。…地植えでない限りどうしたって人の手が必要になります。植えておけばそれでオッケー、なんて軽いもんではないのです。

植物だって生きてるんです。…まあ…自分は今までに何鉢も何鉢も枯らしてますんで…そういう意味じゃ大悪党になってしまいますけども。

03:21 AM | 固定リンク

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