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05/10/2011

日付がずれる

ニュージーランドのほぼ東に位置する島国。サモアが国際日付変更線の「西側」へ(CNN)。これだけだと「なんだあ」で済んでしまいそうですが、これにより様々な効果…いや影響が出る可能性があります。

「国際日付変更線(単に日付変更線とも)」とは太平洋上の、大体経度180度の南北に続く線であります。
国際日付変更線(Wikipedia)
これは一体何のためにあるか、と言うと。カンタンに言えば地球をぐるりと一周すると実は日付が一日異なってしまう(経度で15度違うごとに約1時間時差が出る)ことに対する処置からであります。そりゃ、全世界で同じ時刻ならこういう問題は起きないのですが…日本と12時間ほども違うブラジルも同じ時刻、となるとあっちの人の生活はめちゃくちゃなものになります。それに、一体どこの地域の時刻を「標準時」にするか。皆が納得する答えはありますまい。
日本ではどこへ行っても同じ時刻ですが、国によっては国内でも時差がある場合もあります。
そういった時差の積み重ねによって一日ずれてしまい、それを修正するために一本線を引いておく。それを越えたら一日プラスかマイナスする、という風に決めたわけです。

しかしこの国際日付変更線も常に一定ではありません。最近では1995年にキリバスが東側から西側へ変更となりました。そのため地図上の「線」がやけに東に出っ張ったカタチになってしまいました。それ以外にも経度180度線というのはアメリカのアラスカを通っているためここでは大きく西へ曲がってます(アメリカは東側に位置)。が、アラスカは元々はロシア領だったので…1867年までは西側になっていました。
こういう変更は例えばどこかの「国際日付変更線委員会」に提出して受理されたら…というものではなく。そもそも国際日付変更線にしても正式に認知?されたのは1884年のワシントンの万国子午線会議。イギリス・グリニッジを「経度0度」が通る、ということになり…「じゃあ反対側、つまり経度180度を日付変更線にしようか」ということになり暫定的に決まったとのことであります。

いわゆる大航海時代辺りから「どうしても日付がずれる?」というのは皆が知っていたらしく、どっかで人為的に日付をずらさないといけない、ということになってました。が、陸上でそれやると隣町とうちとで日付が違う、ということに。そこで太平洋の真ん中辺りに「線」を引こう、と。さらにちょうど経度0度の反対側で経度180度で…と。
ただ。国の境目とか太平洋の島々が完全に認識される前はそれで良かったのですが。
国境がしっかり決まって島でもどこの国の島か、というのがはっきりしてくると同じ国の中で日付が違う、というのはやはりやっかいなことになってくるわけです。そこで国によってちょっと日付変更線をずらそうか、と。その国での国内法を改正すれば変更はできるのですからそんなに大きなことではない、と。

そこでサモアもこれまで東側にあったのを西側に変更。しかし「サモア」というのはもう一つ「米領サモア」というのがすぐ東にあって、こちらはそのまま。…名前は一緒ですが(同じサモア諸島ですし人種も同じ)これは分割統治された結果、片方が独立した、というもので…別の国?みたいなもの。でも行き来はできるので。「西側のサモアで誕生日を祝い、それから東側のサモアに飛んでまた誕生祝いをすればすばらしい記念日になるだろう」(「」内↑記事より飲用)ということが可能になるわけです。

なお。サモアは2009年にクルマの右側通行を左側通行に変更してます。そして…同年、サモア沖地震(Wikipedia)が起きました…。

04:29 PM | 固定リンク

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