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05/04/2011

意味が分からん

大手企業の「サマータイム」導入が本格化(Yahoo!:時事)。果たして意味があるのかどうか…しかも最も疑問なのがどこも「始業時間を1時間早める」とあるのですが「(残業を含む)終業時間も1時間早める」というのがどこにもないような。…これじゃ印象として仕事の開始時刻は早まるけれど、終わる時刻はいつもと同じだよ、てな風になっちまいそうな。

「サマータイム」とはアメリカなどではすでに相当年数導入されている制度で、夏(つまりは日照時間が長い)に時計を1時間早めましょう…という制度であります。もちろん、秋になると1時間遅らせて時間を戻します。
こうすることによって日照時間の長い季節に長く活動できることになります。さらに夕方も1時間早くなるので経済活動…飲食とかそういうの…も盛んになる、ということになってます。ただ…一部では習慣と化しているだけ、という声もあって実際にはどれくらいの効果があるのか統計的にもはっきりしてない…とかそんな話もあります。
それでも長いことやっている国ならば、まあ、一種の名物?みたいなもんになってるとは思うのですが。

日本でも終戦直後にGHQによって導入された時期があったそうですが、根付かず。その後何度か「導入しよう」という動きが出ては消えていきました。…多くの人にとっては「意味が分からん」というのが本音なんじゃないのか、と。別に現行の時刻でも問題ないのになんで1時間早めないといかんのか…?
しかし最近になって別件で注目されるように。それが東日本大震災であります。東電の発電量が不足する中で特に夏の電力使用量を抑える必要性が出てきました。そこでこれを導入して電力使用のピークをずらそう、というのが目的なんだそうですが…。

始業時間を1時間早めてなんでそれが電力使用ピークをずらせるのか…?

言うまでもなく「電力使用ピーク時」とは昼の12時から2時までとかそれくらいであります。最も気温が上がって暑さが増す時間帯で、皆がクーラーやエアコンをつける。これは一般家庭に限った話ではなくオフィスや工場でも同様です。さらに産業的に冷やす必要のある業界では冷房がフル回転となります。
だから企業によってはこの時間帯の操業を取りやめる、というところもあります。あるいは皆が働く(=人が動く)平日の昼間ではなく休日の昼間やピーク時とは全然関係ない夜間に操業する、という風に変える企業もでてきました。こういう方法ならたしかに効果はありそうであります。

必要なのは電力使用ピーク時にいかに消費電量を減らせるか、ということであります。

が…サマータイムは1時間早めるだけ、であります。最も電力を使用する時間帯、つまり昼間は早めようが遅くしようが変わりありません。適用された社員はただ1時間早く出勤できるだけで(うまくいけば1時間早く退勤できますが)電力使用ピーク時には従来と変わらずに電気を使うわけです。
…これが1時間早く出勤して昼の1時間シエスタの時間を作る…とかそういうことならまだ効果はありそうな(日本で昼寝の時間が受け入れられるかどうかは別問題ですが)。人間が活動する限り電気を使うわけです。最も使う時間帯をどうやって短くしようか…という話をしているところへ「じゃあ、1時間早めたらいいんだよ」とかとんちんかんなこと言い出されたような、空気読めよ、みたいな。

しかしなんでこのサマータイムを躍起になって導入したがるのか…自分も意味が分かりません。あっちでやってるからこっちでも、とかそんなとこなのか何か利権?みたいのでもあるのか。
節電は今年は特に重要なテーマなわけです。場合によっては人命にかかわりかねない…本当に効果のあることを皆で一生懸命やるのが正道なんではないでしょうか。

02:15 AM | 固定リンク

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