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04/20/2011
そんなに単純なもんじゃない
とは思いますが…一概にどう、とは言えないもんなのかなあ…と。
JA全農福島、ネット販売で売り切れ続出(Yahoo!:毎日)。説明するまでもなく…原発事故による風評被害、というやつであります。現在のところ出荷規制とかそういうのはないんですが、一度染み付いてしまった評価、と言うか印象と言うのはなかなか取れるものではありません。中には出荷すればするほど損をする(原価割れでしか買い取ってくれないので)ため仕方なく廃棄する、というところもあると聞きます。
しかしそういう「福島産」の野菜がネット販売では好調、とのことで。被災地支援の意味合いもあるのでしょうけど、つまり誰かが買っているわけです…仲買人を通さず直接。
…実は前々からちょっと疑問に思っていたことがありまして。
例えば原発事故発生直後。茨城産の農作物から放射性物質を検出…出荷自粛ということがありました。そのため近所のスーパーでは在庫の「茨城産」を掃くために値下げして販売。基準値超えの野菜は出荷されていませんから問題はない、と言えばないわけです。
その野菜はさっさと完売してました。もちろん自分一人の目で見ただけの狭い範囲内のことですから、こういう事がどこでも起きてるわけではありません。場所によっては全部完売のところもあったでしょうし、普通に売れ残ったり逆もあったのではないか、と。
…実はみんなあんまし風評被害を気にしていないんではないか? とか思ってしまったりして。
一つには自分の住んでるところが関東地方であって、福島や東北ではないことがあるかも知れません。地震はありましたけど特に大きな被害が出たわけでもない。もちろん津波の影響もありません。あったのは計画停電による停電だけ。当然原発事故もテレビやネットでしか知らない。地元でもないので思い入れ?みたいなものも少ない。
そんな現場とは離れた場所で産地が産地とは言え野菜の安売りしたら…そりゃあ、みんな買うだろうな、と。あり得ない色になってるとか…目に見えて何かヤバそう、というわけでもないのですから。
前にも述べましたが、もちろんこれは全ての人が、全ての消費者がそう思ってるだろう、と言っているわけではありません。小さいお子さんのいる家庭ではかなり敏感になっているでしょうし、原発事故がもとで関西や九州に疎開?した人もいますし。
しかし実感のない状況では「これこれこうだから」言われてもピンと来てないんじゃないのかな、とか思ってしまうわけです。
ただ、消費者はこうですが仲買人など商売でやってる人たちはそう安穏としてるわけにはいきません。責任があるわけですから、商品を流通させる、ということは。…だから福島産や茨城産を買わなくなる、あるいは卸値から激安になってしまう。そしてそのことは結果として生産者を直撃するわけです…。
一種の気遣いのようなものかも知れません。でもほとんどの生産者は直接自分では販売してませんから、こういうことになると一気に「風評被害」が広がることになってしまいます。特に問題がなくても「何かあるんでは」ということになって「自粛」「仕入れ控え」が進んでしまっているのでは…と。
それを改善?するのはかなり難しいでしょうし、いくつか別の問題も関係してきてしまいそうであります。消費者も含めて「イヤだ」というのが心の中にはあるわけですから。
「被災地の野菜を食べよう!」と言ってみるだけとか政治家が食ってみせたりするパフォーマンスではなく。本当の意味で改善するには根本から変えていかないといけない、大変に大きな、ヒトの意識を根底から覆す必要のある問題なのかも知れません。
04:04 PM | 固定リンク