04/13/2011
一つの方法…なんでしょうかね
漫画家の赤松健氏が立ち上げた「Jコミ」で違法に流通している漫画を「浄化」する試み(Yahoo!:+D PC USER )。…これはどういうことかと言いますと。「Jコミ」ではそもそも絶版コミックに広告をつけて無償配布する…ということをやってきました。もちろん絶版と言えども著作権を持ってる人や団体があります(正確には著作権ではない?場合も?)。そこときちんと交渉して広告料を入れるようにしているわけです。そのため無償での配布が可能になっている、わけですが。
今まではトライアルということのようでしたが。これから本格的に始動するようで…ユーザーが手持ちの絶版漫画ファイルをアップロードしてみませんか、というやり方を打ち出してきたわけです。
厳密に言えば「不特定多数」に著作権者の許可なしに配布することは罪となります。しかし↑この場合は「不特定多数」ではなく「Jコミ」という個人ではないですけど一団体。しかも著作権者との話し合いによる配布が許可されるまではアップロードしたことをよそへは漏らさない、とのことで…こうなるとたしかに法の抜け道?を利用したやり方、と言えないこともありません。
晴れて著作権を持つ人からOKが出ればそれはもう「違法」アップロードではない、これは「浄化」だ…というのも言い得て妙であります。たしかにこれは非常にウマイやり方と言えます。
まあ…やり方は素晴らしいのかも知れませんが…。
個人的にはなあ…どうも。なんか納得しきれん部分があります。赤松氏は以前から違法アップロードにより著作権者へ被害が出ること憂いていた一人ではありますし(だからと言って某動画投稿サイトに対するあの文言は大人げないと思うのですが)一つの方法として確立していけばまた違った方向性が出てくるかも知れません。
しかし。それでは著作権侵害に関して根本的な解決にはならないわけです。
「無償だが違法のファイルと無償で合法のファイルが同じような入手難度で用意されているのなら、ユーザーは後者を選ぶというのは、AppleがiTunes Storeで半ば証明している」(「」内↑記事より引用)で、合法かつ無償でこういうファイルが手に入るサイトが勢いを増していけば違法ファイルも減る…ということなのでしょうけども。
…それに忘れてもらって困るのは「Jコミ」が対象にしているのは絶版のみ、ということであります。次のコミケで販売されたりつい先週や昨日発売された新刊本は対象にならないわけです。そりゃあ、今後何十年…何年と経てば絶版になるかも知れませんが、それじゃ意味がないわけです。
やるのならもうちっとどっしりかっちりと法律に風穴開けるなり改正に持ち込むなり…そうして欲しかったところではあります。現行の著作権法ではもうにっちもさっちもいかないのが現状なわけです(グレーゾーンが多すぎて黒と白がはっきりしない)。その辺がどうにかならないのかなあ…と。
それでもこういうムーブメントを起こしてらっしゃることには感銘を受けます。…いや、ほんと…何か道筋はつけられないものなんですかね…?
01:48 AM | 固定リンク