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03/29/2011

どうでも…よくない

東日本大震災により地震計など計測機器が多数ダウン(Yahoo!:毎日)。これによる最も身近な弊害の一つが「緊急地震速報」の誤報であります。いきなり携帯が鳴り出して、すわ地震か…! と身構えても何もない。あるいは速報が出るほど大きな揺れもない。これは観測機器網が崩壊して精度が落ちているのが原因の一つ、とされています。

あれだけ大きな地震だったのですから、観測機器の入ってる建物だって全部無事なわけはありません…たしかに。
地震計もそうですが津波関係の機器にもかなり大きな被害が出た、と聞いています。どれくらいの高さの津波か、というのを計る機器があるんだそうですけど、それも相当数壊滅。そのため実際にはどれくらいの高さの津波が襲ってきたのか、正確には分からないのだそうであります。
そこで現地を調査して被害状況から類推する、という方法がとられています。
これは過去の地震や津波の被害を調べる時にも使われている手法ではあります。まだ観測機器も何もない江戸期やそれ以前にも大地震や津波は起きていました。その時の規模(マグニチュード)はもちろん計測はできませんが…被害から割り出すことはできます。

例えば高知市に「宝永町」という地名があります。伝承によればこれは江戸期の宝永四年亥10月4日(1707年10月28日)に起きた宝永地震(Wikipedia)による津波の被害が激しかったからだ、とか、その後津波を防ぐための堤防が築かれた場所だからだ、とも言われています。何しろこの津波は高知のお城下を海に変えてしまうほどだったそうです…。
この宝永地震も当然ですが現代のような記録は残っていません。古文書や地形の変化などから割り出していった結果、西日本では最大級の被害をもたらした地震だった…というのが分かってきています。

…震度とかマグニチュードとか、そういう数字はどうでもいい、実際に困っている現場を救うことだけ考えよう、というのは間違いとは思いません。全部は。でもこういう数字や調査の積み重ねから次の災害を守る手立ても生まれてくるものではあります。
もう「今後」のことも考え始めるべきだと思うのです。100年に一度、1000年に一度なんだから…と突き放してしまうのではなく。少しでもいいから被害を減らせる方法が出てくることを願います。

04:00 AM | 固定リンク

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