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03/02/2011
リラックスと衛生
実は結構深い問題ではあるのです…。
イギリス当局が「フィッシュ・スパ」の衛生問題を調査(Yahoo!:ロイター)。最近、と言うかちょっと前からテレビなんかでも紹介されている、お湯の中で小魚が足をつついてお肌の古い角質を食べてくれる…というものであります。肌の健康を保つ、という意味の他に適度なマッサージにもなるのでリラックス効果が得られるとされています。
日本でも導入しているところがあります。足湯にコレを放しているところもあったりするらしいんですが。
この魚は「ガラ・ルファ(Garre rufa)」と呼ばれるコイ科の魚で、元々は西アジア原産になります。カタチとしては日本にもいるコイ科のモロコやオイカワなどに近いかと思われます(もっとも、コイ科って属も種も尋常じゃなく多くて多彩なんですが)。しかし一番の特徴は高水温に耐える、ということでしょうか。
普通の、いわゆる熱帯魚だと適水温は25℃から28℃くらい、とされています。もちろん種によってこの幅はかなり上下します…30℃くらいないと調子悪い、とかそういう種もありますんで、温度は魚飼育の時にはかなり重要な要素になります。
が…このガラ・ルファの場合。適温は32℃以上、37℃くらいまで耐えることができる…とされています。つまり「いい湯だな」という温度まで耐えられるわけです。
自然下でそういう温度、というと温泉になります。しかし温泉てのは基本生き物がいませんのでエサがない。そこで人間や他の動物が入って来た時に皮膚などをつつくようになったのではないか…とされています。そこから「フィッシュ・スパ」が始まった、ということであります。
トルコやドイツではポピュラーな施設のようで、世界中に広がっていったんですが…アメリカでは14の州で禁止された、という話もあります。実はかなり大きな問題が出てきてしまったわけです。
多数の足が突っ込まれたお湯の衛生状態は大丈夫だろうか?
天然下の温泉なら絶えず湧き出していることも多いでしょうけど、そういう施設でたまりっぱなしのお湯の衛生状態は…? とそういうとこが問題視されてきてしまったわけです。もちろん、一回「マッサージ」してもらった後にお湯を換える、という手もありますけどそうなると中にいる魚はどうなる? と。まさか一回一回魚ごと換えて…となると費用もバカになりませんし魚のためにもよくありません。
そういうとこがクリアできないとイギリスでも何らかの指導が入るんではないか、そうなると日本や他の国にも…という懸念があるわけであります。
なお。ガラ・ルファそのものは熱帯魚として販売もされています。飼育方法は普通の熱帯魚+高温維持、というだけのもの。ただし繁殖は個人では難しいとのことで。若魚のうちなら個人の水槽に手突っ込んでもつついてくれるんだそうですが、数年して成魚になると用心深くなるらしくつついてくれなくなる…とかそんな話も。人には慣れる種らしいのですが。…中には高温に耐えられない近縁種が販売されてることもあるんだそうで、その辺はご用心、とのことであります。
12:31 AM | 固定リンク