« 心配りも肝要 | トップページ | 二つほど 2/19 »
02/18/2011
貸すだけ
つまりはそういうことかな、と。たしかに自分でやる分には法的にどう、とは言いにくいでしょうし。
TSUTAYAの一部店舗で「BOOK ON DEMAND」サービス開始(Yahoo!:+D PC USER)。これは店で本を買う(持ち込みもOK)→店員サンが無料で裁断→自分でスキャン→本をPDFファイルにできる…というものであります(雑誌はダメみたいですし、全ての書籍がOKというわけではないようですが)。電子書籍が今ひとつなもんでこういうサービスが広まるんでは…という声もありましたが、こういう大手が参戦してくる、ということで今後の展開も変わってくる…のかも知れません。
大手ではないところでは実はこういうサービスはあちこちでやっていたりします。価格や対処方法(裁断した書籍の行方とか)は様々ですが、基本やるのは「バラバラにした本をデータ化する」というものであります。…慣れてる人になると自分でやったりしますが。こういうのを現す「自炊」というのは「自分で(データを)吸い出す=自吸い」からだ…という説もありますが実際は他に由来があるのかも知れません。
…こういうところからすでに電子書籍の崩壊?と言うか未熟さが表れている、と自分は思っているのですが。
欲を言えば出版する時に実物かデータか選ばせてくれるような仕組みがあれば…と。人によっては本をそのまま紙のままで読みたいと思うわけですし、電車の中とかそういうとこでも読みたい、気軽に持ち運びたい、というのなら電子書籍の方がいいわけです。
どこで読んだかなあ…誰のエッセイ?だったかなあ…本を購入するとまず表紙を破り捨てて本体?だけ分割してポケットにねじこんでしまう、そんな知り合いがいる、とかそういう話。やや極端なような気もしますがそういう趣向?の人間がいてもおかしくはないわけです。せっかく電子書籍、という限りなく軽量化できるシステムがあるのにちょろちょろっとだけしか電子化してくんない、となると期待はずれと言うかもったいないと言うか…利用したくても俺の読みたい本がないんじゃなあ…となるのは当たり前のことかと。
一応「個人で」楽しむ範囲ならば著作権法にも違反しない…となっている「自炊」ではあります。そのため↑のTSUTAYAでは基本的な作業は依頼してきたお客さんにやってもらう、こっちは資器材を貸すだけ、ということになっているのかと。
しかし。いつまでもこんなグレーゾーンと言うか曖昧な状態で続けてていいもんなのか、と。これが例えば組織的に「自炊」を始めて事業化していったら…今は規模も大きくありませんし、まだ「個人」の範囲内に収まっている?と思われるのですがこうやって大手も参入してくる、となると…。
早いとこ出版業界が動かないかなあ、と。電子書籍に関する日本の立場の確定、と言うかきちんとした枠組みと言うか。日本独自の規格でもいいんです。全ての出版物を電子書籍リーダーで読める、そういう状況にならない限り「本格的に電子書籍が~」とかそういういかにも未来の新技術がそこまで来てる、みたいなことは言えますまい。
そして↑のように曖昧なままで「自炊」が広がっていきます。これに「ダメだ」と言うのは簡単なんですが、じゃあ、どうするんですか? と言われたら…どう反論するんでしょう? それ関係の業界の人は?
12:36 AM | 固定リンク