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12/06/2010

そんなに万能じゃない?

平成24年度より中学での「武道」が必修化(Yahoo!:産経)…それによって「礼儀正しい日本人」や「目標意識を持った日本人」は育成できるだろうか、という記事であります。たしかに「礼に始まり礼に終わる」とされている各種武道(柔道とか剣道とかが中心でしょうか)に多感な中学生が触れることで得ることも多いかと思われます。
…が、そこまで期待できるもんなのか、どうか。その辺、個人的に疑問が少々。武道とか論語とかいった、そういうものに触れてさえいれば子供は健全に育つ…そんなもんかな、と。そんな簡単なもんなんだろうか、と。極論ですけど…四書五経をきちっと学んで(現代のとは大分趣きの違う)武道を修練していたはずの江戸期の武士全員が全員そこまで高潔だったわけじゃないでしょうに。人間なんてのはいつの時代もどんな場所でも清濁合わせもつもんで、完全に「清」でも完全に「濁」でもないもんではあります。
でも昨今の「堕ちた」風潮を見る限り、たしかに武道や書でもってきちんと「正す」のはやはり必要だと思われます。ただ、そこまで過度な期待ができるもんなのか…その辺が疑問なわけです。

一つには教える側の問題もあります。柔道や剣道となるとやはり有段者、あるいは経験者が教える必要があります。指導用の資料だけで勉強した「なんちゃって」指導員では身に付くものも身に付きません。武道というのは一般とはまたちょっと違った身体の動きをしたりしますし。そこから違ってしまうと別モノになってしまう可能性もあったりしますが…そういうとこで正統?な人員をきちんと確保できるのだろうか…と。
そして現代で武道を教える意味も。礼儀とかなんだかんだと言い訳つけても結局「人を害することのできる技術」には変わりはないわけです。守るためであっても相手を傷つけることもある。そういうとこまで踏み込めるんだろうか…てのは、ちょっと考えすぎですかね。

そして↑記事中でちょっと気になった「スポーツ化した武道」であります。別にスポーツ化して皆が公平に楽しむことができる、というのも問題ないんじゃないのか、とは思いますが…たしかに元々持っていた「荒々しさ」「高等な技術」がどうしても減ってしまうのはちょっと気になるところではあります。…でも柔道なんてのはスポーツ化しなかったら今でも柔術だったわけで。で、習得には多大な時間とお金がかかったでしょうし。もちろんその方が「正しい」武道なんでしょうけど…別にそこまで一般人は必要ないっちゃあ、必要ないもんであります。時代が時代ですし。

…でもよく考えてみたら剣道や柔道の授業、てのは前々からあったわけですし。それが必修化になっただけ…という見方もできますんで、それほど大仰なもんでもないのかも知れません。さらに「武道」と共に「ダンス」も必修化されるんだそうで。…あー…こっちの方がある意味大変なのかな、とか。ダンスの指導て…実は経験者でもかなり難しいんじゃないんでしょうか…?
中学校武道・ダンスの必修化(文部科学省)

03:33 PM | 固定リンク