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10/10/2010
四割超
今さら観もややありますが。
西日本のカメ、42%がミシシッピアカミミガメ(Yahoo!:産経)。いわゆる「外来種」というやつで、ちょっと前には夜店なんかで「ミドリガメ」として売られていた(今は…どうなんだろ?)種類であります。腹の紋様がある意味毒々しく、コレがどうも…なんて人もいたりしましたが。
特に熱帯産というわけでもなく…小さいのを買う→しばらくするとデカくなる(甲長で30cmくらいのを見たことがあります)しかも水が汚れて臭い→捨てる、という外来種が定着してしまう固有の過程を辿っている種でもあります。…一つにはカメなどの場合は「捨てる」んではなく「逃がす」という概念なのかも知れません。これが日本にはあんまりいそうもない種(過剰なまでに派手とか、あまり見ないカタチとか)なら別ですが、ミドリガメだと腹見ない限りカタチとしては日本によくいる種とそれほど違いはありません。しかも温度も問題ないですし。
逆に熱帯産だと「放したってすぐ死ぬだろ」と安易な気持ちで「放す」人もいますが…いずれにしてもカンタンに捨てる・逃がす・放すことがどういうことに繋がっていくのか。いざ飼おう、とする前にきちんと考える必要があります。
ところで。↑記事読んでて「?」となったのですが…クサガメって日本固有種かどうか議論が分かれてたんかい。
調べてみると…今年の7/31にこんな記事が。クサガメは外来種だった!(msn:sankei) …遺伝子的に韓国など半島系のクサガメとほぼ同一。しかも江戸期以前の遺構から骨などが見つかっていない。さらに江戸初期から中期の学者が記載していない(シーボルトも記載していない)…と。どうも江戸の後期に韓国などから入ってきたのではないか…と。さらに中国など大陸系のクサガメは1970年代に夜店で「ゼニガメ」として売り出したのが由来、という話もあったりして。
…そういうとこ、なんだかミドリガメと似てるような…。しかもクサガメとニホンイシガメ(日本固有種)は交雑可能(ウンキュウという名で流通している)で雑種世代も繁殖能力を持つ個体が多い、と。
ミシシッピアカミミガメとクサガメ・ニホンイシガメの交雑個体、というのは…なんかどっかで聞いたような気もするんですが、実際にはほとんどない、という話もあって。そういうとこは違うかも知れんのですが、外来種となると心配されることの一つが交雑による「遺伝子汚染」なわけで。場合によってはクサガメを駆除しないといけなくなるんではないか…と。ただ、外来生物を規制する法律は基本「明治以降」に日本に入って来た種、なんでクサガメには適用できません(そうでないとさらに昔々に入って来たスズメとかモンシロチョウまで規制しないと)。
…しかし。交雑がそれほど悪いことなのか、という声もあるにはあります。純血にそんなにこだわる必要があるのか、と。種、というのは様々に変化していくのですが、その中に「他種との交配によって変化する」という方式もあるんでは…という説があったりします。
そもそも「純粋な種」なんてもんはあり得ないわけで。どっかで別種の因子が入ってきて、それで別の可能性を見出せるようになってるんでは…という説でもあります。
ま、追実験のできない(数百万年とかかかるし)話ですんで…実際はどうなんだか分からんわけですが。それに、やはりあるがままに残しておきたい、と思うのはヒトの性なんではないか、とも思いますし。
10:31 AM | 固定リンク