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10/12/2010

時の運

というところなんでしょうか、実力差と言うよりも。あるいはそこまで人間に近づいてきてる、と言うべきか。
将棋のコンピュータソフト「あから2010」が清水女流王将に勝利(Yahoo!:毎日)。他の記事では次は男性棋士に挑み、最終的には名人や竜王にも挑戦するのでは…となってましたが、さらに別の記事では米長邦雄・日本将棋連盟会長が「男性棋士との対戦は考えてない」となってますから今後は白紙状態なのかも知れません。日本将棋連盟ではプロが公の場でコンピュータと対戦するのを禁じているそうですし。

チェスでもコンピュータソフトと名人クラスの対戦、というのはあるんだそうですが(世界的に有名な方が対戦、とか)、将棋との大きな違いは「取った敵の駒を自分の駒にできる」というルールなんだそうで。これがあるとないとでは開発具合に大きな差がでてしまってなかなか将棋の方は進まなかった、そうであります。
今回の対戦にしても実際に駒を指すのは人間で、小さなモニタを見ながら指してましたが…。
アレで一つのコンピュータ、というわけではなくウラにある百何台ものコンピュータと連動させて指し手を考えていた、とのことであります。そう簡単にプロ棋士に勝てるわけもない…。

基本的にコンピュータは「これをしろ」「あれをしろ」は淀みなくできますが、「ここをもっとこういう風に」「やり方を少し変えて」とかそういうことになると余分に時間がかかったりします。…「こういう風」「少し」をさらに「ああしろ」「こうしろ」とやってやるとあまり変わらなくなりますが。つまりは基本的に「自分から動けない」わけです。
もちろん昨今の技術の進歩で自己判断のできるAIなんてのもすでにありますが。それでも人間のように幅広く対応、とまでいってません。
今回の将棋にしても、プロ棋士という人たちは一手指しただけで頭の中ではとんでもない数のパターンを一気に指しているす、と言います。しかしコンピュータならその数の数倍どころか数百倍以上の数をシュミレートすることも可能。ただ、その中から最善の次手を選ぶ時にいわゆる「悪手」を指すことも多かったんだそうで。そうなると「予想はできるけど指し方がヘボ」というあんまり上手くはない指し手になっちまいます…。

今回はそういうところも改善しての挑戦、ということで。負けた清水女流王将の「時間の配分が」ということで時の運みたいのもあったんでしょうか…やはり。いや、でも、将棋とかああいう勝負の世界てのは運がどう、と言うよりその運すらも引き寄せる実力を求められる世界という話も聞きますけども。…やはり最高位クラスの人たちが対戦してみる、というのは…難しいもんなんですかね。

12:31 PM | 固定リンク