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06/14/2010

「オカエリナサイ」

「イ」はやはり裏返しの方がいいのかも…。ありがとう、そして…さようなら。
工学実験探査機「はやぶさ (MUSES-C)」の任務完了…「神がかり的だった」(Yahoo!:毎日)
はやぶさ、地球へ! 帰還カウントダウン(JAXA)
はやぶさ (探査機)(Wikipedia)
Yahoo!サイエンストピックス:宇宙開発
七年。本当ならもっと早く帰ってこれたのですが、様々なトラブル(↑参照)により一時は通信途絶による「宇宙の迷子」状態にまでなっていました。しかしそんな状態からも復活、そしてついに帰還を果たすことができました。

たくさんの功績を残しているのですが、やはり最大は「月と地球以外の天体に着地して帰ってきた」ことではないでしょうか。月面着陸はアメリカのアポロによる有人着陸が有名ですが、その他の天体となると…距離的技術的なこともあって無人でもそうそうありません。いや、「到達」はしているんですが「帰還」の例がなかったのです。
旅というのは帰ってきて初めて旅だ、という言葉もあったりしますが。
その言葉通りなら「はやぶさ」はきちんと旅をしてきたことになります。道中はトラブル続きでしたがそれも技術者たちによるアイデアと先見の明により回避。ついには帰還を成し遂げた、ということになります。

「ケガだらけの子供がお使いから帰ってきたようなものだ」的なコメントがテレビ番組などでは使われています。が…某所では「でもその子供自身は帰って来ないんだぜ、玄関先に買い物カゴだけ置いてあって…」という返しがあったりして。本来の目的の一つである「小惑星イトカワのサンプル」が入っている可能性のあるカプセルは無事、発見されました。しかし「はやぶさ」本体は大気圏への突入の際に…融解。
…コレに関しても色々な声があったようなんですが…本来の使用目的、というか「はやぶさ」の任務からすればこうするのが一番、ということになると思うのですが。…そりゃあ、感傷的なこと言っちまいますと回収もアリかな、とは思いますが。でも今回のミッションで得た様々な情報は次へと受け継がれていきます。そしてその「次」もまたその「次」へと。
そういう意味では「はやぶさ」は不滅と言えるのではないでしょうか…もちろん、こういうことは「はやぶさ」だけではなく。技術も芸術も全て「次」へと継承されていくものではあります。

他方で「高価な砂運び」と揶揄されてもきたミッションではありましたが。まあ、こういう宇宙開発は成功してナンボ、失敗すれば盛大に叩かれる、と相場は決まっていて(しかも予算は少ない)そういうのもいつものことだ、と言えばいつものことなんですが…。
今回に限っては二つの言葉で反論?しておきたいと思います。

『あなたは赤ん坊に何を期待しているのですか?』(ある科学者が実験を公開。そこで「これは何の役に立つのか?」という質問に対して)
『立つこともできない幼児に走り方を教える親がいるでしょうか!?』(山本貴嗣「セイバーキャッツ3」P112より引用)

人を感動させるのが技術開発の目的ではありません。でも、真っ当なモノというのは黙っていても人に感動を呼ぶものなのであります。

04:20 PM | 固定リンク