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05/27/2010
お疲れ様でした
と言うのはちと早いですか。少なくともまだあと2回はあるのですし。
スペースシャトルオービター「アトランティス」任務終了(Yahoo!:時事)。「ディスカバリー」「エンデバー」もそれぞれ1回ずつの飛行を残すのみ、となりました。年内でのオービター全機退役は確実のものとなってます。
「何回も繰り返して使える宇宙機」というコンセプトで開発・就航した機体でしたが…何回でも使える、ということは維持、つまりメンテも相応に必要ということになります。それまでの「使い捨て」の機体ならそういった作業は必要ないので手間もお金もそこまでかかりません。しかし毎回飛んで帰ってくるたびにかなりの時間と費用を食い、なおかつ一機のお値段も非常に高いものとなってしまいました。
そして「コロンビア」「チャレンジャー」の事故。
宇宙開発には危険が付き物とは言っても…かなりの衝撃ではありました。安全性を高める、という方向性からも「使い捨て」への回帰は有力となってきていました。何回でも使える、ということは危険に遭う確率もどうしても高くなってしまうものですし…。
タクシーと自家用車で例えられたりもします。クルマを一台買って維持するよりも、使う頻度によっては実はその都度タクシー呼んだ方が安上がりになることもある、と。
…それでも個人的には「何回でも使える」機体の開発を終了して欲しくはないのですが。たしかにムダが多いのも事実なんですが…例えばあの翼。アレ、軌道上では何の役にも立ちません。役に立つのは大気圏突入後の大気中でのみ。そのため後継機とも言える(使い捨て型ですが)アレスには翼はありません…。
しかし今後本格的に軌道上の開発が進むとなると、「使い捨て」ではない方向の機体がどうしても必要になってくるのではないか…とか思ってしまうわけです。いちいち打ち上げてほとんどを廃棄、では間に合わなくなってくるのではないか…と。
今年で全て退役してしまえばその開発の根も消えてしまうのかな、と。その辺がさびしくももったいなくもあります。
そんなオービターですが退役後の展示にアメリカ各地の博物館20以上が確保に名乗りを上げている(CNN)とのことで。一番有望?なのはスミソニアンかな…とか思ってたんですが意外なことに財政難からなかなか難しい情勢なんだそうで。となるとNASAの施設であるケネディかジョンソンか…いずれにせよ余生を静かに送れる場所は確保できそうで、ホッとしているような次第ではあります。
04:31 PM | 固定リンク