03/06/2010
しかし事情による
日本政策金融金庫のアンケートによると、曲がったキュウリなど見栄えの良くない規格外の果物や野菜の購入に大半の人たちが肯定的(iza!)なんだそうであります。
今年1月に20~60代の男女2000人にインターネットで実施したアンケートの結果で…こういった規格外品を購入したことがある人は60.0%で、購入したことのない人でも65.5%が今後購入してみたいんだそうですが。そして購入した理由は、複数回答で「品質の割に価格が安い」(64.8%)「規格品と味が変わらない」(55.5%)「見た目にこだわらない」(37.3%)などになるんだそうですが…さらに23.9%が規格撤廃を、43.1%が大幅な緩和を求めたい、という結果になったんだそうですが…。
みなさん、別に質さえ安定していればカタチや大きさはそれほど気にしない、という結果で、これはこれで納得できるもんがあるんですが…。
いや、なんかちょっと気になったのは「なぜ規格があるのか」ということなんであります。
規格とは当たり前ですが見た目重視なわけです。ごくごく小さなキズがあったり若干の長短で「規格外」とされて即廃棄という現場も少なくないとか。そりゃあ、もったいないだろう、モノとしての違いはないんだからそういう「規格外品」も店頭に並べればいいじゃないか…と、そういう流れになってきてます。
が…「規格」には別の意味もあります。作業の単純化もその目的の一つ。例えば箱に詰める際、似たような大きさだと作業を簡略化して時間も手間も省きやすくなります。あるいは重さも一定の範囲内なら外食産業なんかの場合、食品の品質を均一化させやすくなり…同じ名前なのに店によって味が違う、とかそういう弊害も少なくできます。そして大きいのはコストの削減へと直結することができることでしょうか…。
…もちろん選別などの作業だけではなく輸送の手間も。そういった物流関係では「規格」でしっかり管理しておかないとうまく回らなくなるんではないか…と。規格を撤廃するということはこれまで気にする必要のなかった手間が大きくのしかかってくることになります。すると、価格や品質にまで影響が出る可能性だってあるんじゃないんだろうか…?
もちろんそういう事情も汲み上げて行って、最終的にはうまく回るようにしていければいいのですけれど。しかし物流システムとして出来上がってるもんをそう簡単に変えていけるだろうか、と。まあ…何よりそういうのは全国的な展開をしているケースの話なわけで。近所の農家の方が直売所なんかで売る場合は、かえってそういう「規格外品」を安く売ったりするのは悪いことではないんではないか、とも思います。
…実は↑の調査結果でどうにも引っかかったのはもう一点あったりします。…みんな、安いから規格外品買ってるんじゃないの…? と。ただ盲目的に安けりゃいい、というわけではないのでしょうけど、やや高めの規格品とカタチは悪いけどちょっと安いのが並んでたら…よほどの高級志向?の人でもない限り安い方を買ってくと思うのですが。
事情によっては規格外品の方が高くなる可能性もあるんですが(システム上余計な手間がかかってしまうとか)…仮にちょっと高めの曲がったキュウリが規格品と一緒に並んでいたとして…果たして曲がったキュウリを買う人がいるんだろうか、とちょっとイジワルなことも考えてしまいます。
自分も別にそういうのは気にしない方なんですが。安けりゃいいや、と思ってるんですが。…近所に安売りでちょっと名の知れたスーパーがあるんですが。そこではペットボトルのお茶も安く売ってるんですが。…皆さん、見事に避けていきますちょっとへこんだり潰れたりしてるペットボトル。値段は同じで品質は変わりようもなく。もちろん中身が漏れてるわけではありません。…例えば最後の一本がそれだったら誰かが買っていくのかも知れませんが…よく売れ残ってます。
まあ、これはちょいと特殊な例ですし、個人的かつ主観的な例でもありますし、↑のように規格外の作物とはまた事情も違いますから単純に比較はできませんけども。…そこまでキレイ?なもんではないんじゃないのかなあ…とかアマノジャクに思ってしまった次第ではあります。
03:27 AM | 固定リンク