« おなまえ:2009 | トップページ | 二つほど 12/10 »
12/09/2009
二つほど 12/09
公共的に意味はないでしょうけど、大変に興味深いことで二つほど。
一つ目。難波宮(726~784:大阪市)で藤原宮(694~710:奈良県橿原市)のかわらが出土…これだけ見ると「ちょっと前の時代のが出てきてもおかしくないんじゃない?」とか思いそうですが…よく考えてみると地理的にも「?」っぽいところがありそうな。なお、かわら本体?を作ったのは香川県三豊市の宗吉瓦窯(むねよしがよう)というところなんだそうであります。
いくつか説が出てきているそうで。一つは香川→橿原へ運ばれる際水揚げした大阪で落としたのではないか、と。もう一つは時代的にはそう離れていないので藤原宮のかわらを難波宮で「リサイクル」したのではないか…というもの。
それぞれなんとなく理解はできそうなんですが。ただ…最大のナゾ?はなぜかこのかわら、出土した一枚きりなんだそうで。落としたにしろリサイクルにしろまとまった数が出てくるはずのなのに、なんで一枚だけ? という辺りがなんとも。
こういうナゾてのは結構ごろごろしてそうなんですが…日本史。やはり興味深いところではあります。
二つ目。暗室で50年余飼育して1400世代経たショウジョウバエ、暗闇に適応。…なんか「進化」という言葉は使いたくないんですが。もっと大きな変化と言うか明らかに別種とか別属とかそういう風に変わって初めて「進化」なんじゃないのか…とか個人的には思っておるのですが。
しかし実験内容はとてもスゴイもんであります。やり方は簡単で光の入らない暗室内でショウジョウバエを飼育するだけなんですが…それを50年以上。京都大理学部動物学教室の森主一教授(故人)が1954年に開始して…それから現在まで連綿と続いてきたそうであります。
ショウジョウバエというのは一世代が非常に短いことでも知られています。つまり、何らかの事情で獲得した形質(この場合暗闇に適応)を次世代に速やかに伝えやすいわけで。さらに「暗闇で飼育」という不利な状況下だと生き物てのはそれに対抗するような手段を獲得していくようになり(全部が全部ってわけでもないんですが)、条件を絞ることで獲得していく「純度」もかなり高くなるのでは、と。…光の入らない洞窟なんかだと目がなくなったり白っぽく変化したりしますけど、あれの圧縮版みたいなことが実験室で起きていたことになります。…やや大げさに言えば、ですが。
今後も飼育が続くのではと思われますが。願わくばたくさんの人がこういう地道な実験や作業があることを知って頂きたいな…と。単純な作業や思考を積み重ねていくことでようやく結果を得ることができる。ぱっと実験してぱっと結果出るだけが事業じゃない、と思うのですけれど。
12:23 PM | 固定リンク