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08/07/2009

はじめての、さいばんいんさいばん

裁判員制度が始まってから初の裁判。裁判員として選出された6名(途中で体調不良により一人交代してますが)の方々、お疲れ様でした。初めての裁判員裁判ということで弁護側や検察側、あるいは裁判所の方でも色々とこれまでにないこともあったりしましたが。
Yahoo!国内トピックス:裁判員制度
…テレビのニュースでちょろっとだけでしたけど検事がインタビューに答えてたりしましたし。あるいは被告の扱いであるとか証拠物件の提示方法であるとか。そして…今後の裁判のあり方についても様々な方面から意見が出てきています。今後に生かされることを望みます。

「裁判員」とは簡単に言えばフツーの国民が裁判に参加する制度であります。
最近ですと他にも被害者参加制度(法テラス)という犯罪の被害にあった方が裁判に参加できる(傍聴ではなくて)制度も出てきています。…こちらも被告から暴言を受ける、などのトラブルもありましたんでまだまだ時間の必要な制度なのでは、とは思いますが。

裁判員は有権者の中から選ばれます。つまりは基本的に20歳以上になったら誰でも裁判員になる可能性がある…ということになります(ただし70歳以上は辞退可能)。市町村の選挙管理委員会が「くじ」でランダムに選んで地方裁判所に送って…「裁判員候補者名簿」を地裁が作成。この時に「名簿に載りました」という連絡があります。…同時に「調査票」という「今現在どんな状況か教えてもらってもいいですかね?」という書類も到着。
さて…いざ裁判員裁判を行なう、ということなると。「裁判員候補者名簿」から「どうしても参加できない人」を除いて、やはり「くじ」でランダムに選んで呼び出し状と質問状が送られてきます(大体50人前後とのことですが、↑第一回の時は73人に送ったんだそうで)。さらにここから基本的に6人に絞り込んで開廷、ということになります。

ただ、裁判員候補者名簿にあなたの名前が載りましたよ、という通知が来ても必ず裁判所へ行かないといけないわけではなく。重大な事件(死刑や無期懲役などに該当する事件)が起きて裁判員裁判をひらく、という決定がなされなければ裁判員に選ばれることもありません。
さらに選ばれても「地方裁判所」での裁判に限定されるので一審のみの参加。裁判員は毎年選び直されるのですが、過去5年以内に裁判員になった人は辞退することができます(裁判所の方も呼び出し状発送後の面接の時に経験者だと分かったら除外するんじゃないか、と個人的には思ってますが)。

…しかし具体的に何をやるか、と言えば「公判の立会い」と「評議と評決」というものであります。裁判に参加して被告や証人に質問することもできます。…報道でもそれが焦点の一つになってましたが。別にどんな質問しようが「初の質問です!」とか興奮せんでもいいだろうに、とか思いましたが…裁判長が質問できるような状況になると休憩して裁判員を裏へ集めてた…てのはたしかに色々勘ぐられそうで。まあ、この辺も含めての「第一回」なのでしょうけど。
そして「評議と評決」…つまり被告が有罪かどうかを決め、その罪を決めることになります。もちろん裁判員だけで決めるわけではないのですが。裁判長も裁判官も一緒になって考えるのですが。
この辺りがどうもなあ、と。
個人的には有罪か無罪かを決める、でも良かったんじゃないのかと思うのですが。量刑、つまり罪の重さを決める、というのは結構抵抗があるのではないか、と。一般の意見を反映させるというところにたしかに意義はありますけど、そこまでやっちゃあ裁判官などのプロのすることは一体何? ということにもなりそうで。

…まあ、全ての裁判に裁判員が出る、というわけではなく。重大な事件の時に普通の視線を持つ一般市民の声を聞きたい…ということになりますけども。いかんせん、まだまだ一回目なんでやっぱりあちこちにアラが出てきてしまうなあ、と。仕方ないっちゃ仕方ないんですが。
まだまだ反対派も根強い裁判員制度。今後どういう風になるのか、ちょっと分からないのが現状だったりします。

04:15 PM | 固定リンク