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07/17/2009
意味が分かりません
新たに常用漢字に加わる予定の淫・呪・艶・賭などに「待った」(Yahoo!:読売)…これは現行の常用漢字1945字に新たに191字を加えよう、という動きに関して一部の漢字が「不適切ではないか」という指摘を受けている、ということであります。指摘しているのは教育現場なんだそうで。常用漢字ともなれば学校の教育の場で教えていかなければならない場合もある。その時に↑こういう漢字はいかがなものだろうか…ということのようで。
別に常用漢字全部を学校で教えなければならない、という決まりはないんだそうで。じゃあ、教えなければいいじゃねえか、とそう簡単にもいかないのではないか、と。「常用漢字」として生徒の目に触れる場所にそういった「不適切」な漢字があるのはどうなんだろう…とかそういうことにまでなってるのかも知れませんが。
→常用漢字一覧(PDF 文化庁)
→人名漢字表(PDF 法務省)
正直なとこ、意味が分かりません。漢字に「ダメ出し」する、ということに対して。
これがちょっと前にあった「人名漢字から不適切なのを削除」というのならまだ理解できるんですが。明らかにマイナスイメージと言うか、こんな漢字名前に使ったら子供が学校や将来の場でいじめに合うのがほぼ確定じゃないか…というような漢字を人名では使わないようにしよう、というものでしたが。
今回のは「常用漢字」なわけで。
まあ、こういうくくりを設けること自体に対して疑問を抱く方もいるそうですが…無数にある漢字のうちよく使われるものを選んでおいてそのうちのいくつかは最低限子供に覚えてもらおう、というのは決して悪い考えではないと思います。実際、教わらないと覚えられん、ということも多々あるものですし。
本当は使ってるうちに自然と覚える、というのがベストなのでしょうけど。実際に手を使って「書く」機会が減っている昨今ではなかなかに難しいことなのかも知れません。
しかし…漢字というのは一つの文化であります。漢字を使用している人間、というのは地球上の数の上では圧倒的多数になるのですが、どれだけ普及しているか、となるとかなり限定的になってしまいます。しかも国や地域によって用法が違っていたりしますし。日本には日本特有の漢字の使い方があったりします。
文化てのは全部が全部目や耳に甘いもんばかりではありません。中には苦いものや嫌悪すべきものもあります。
そういうのを全部ひっくるめて「文化」なわけで、そういう「イヤ」な部分を取り除いてもそれは正式な「文化」とはなりません。…よくあるのが「伝統的製法によって丹念に作られた○○」とかそういう風に昔々から継承されてきたモノが、実際は作るのに結構な手間ひまがかかるのでその辺を省略したら質も落ちて結局途絶えてしまった…とか。
…教育によって後世に伝えるというのならマイナスも何もかも全部伝えていく必要があると思うのですが。どうも、昨今の風潮で「良くないもんにはとにかくフタ」というのが流行っているようにも思えるのですが…。
12:29 PM | 固定リンク
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