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11/26/2008
「ナマズ」じゃない
ノリ弁、と言えばご飯の上に海苔を敷き、その上にフライやらおかずやらを乗せている「名前<中身」なお弁当ではありますが。…乗ってる具の一つ「白身魚フライ」が現在ピンチ、救世主は「ナマズ」(@nifty:夕刊フジ)…って、ああいうのは「ナマズ」とはまたちょっと違うもんじゃないのか、と思いますけども…さて。
コトの発端?はスケトウダラの高騰によるものであります。
北太平洋の寒い海で獲れる魚ではありますが、昔からこの白身をフライにしてたんだそうで。くせもなく色もキレイ。某マクドナルドでもフライにはこの魚が使われてるんだそうで…タラコの親でもある魚ですが非常に供給しやすい魚…だったんですが。
ここのところの欧米などで魚が見直されて需要が大きく増加するような状況になったのと、何年か前でしたか…太平洋のスケトウダラの数が減りすぎている、という関係機関の報告もあったりして。たしか大幅な漁獲枠削減を提言されて、ほとんど禁漁のような状態になるんではないか…とされてたような記憶もあります。
そこでスケトウダラの代わりになるような白身魚を…ということになったわけであります(もっとも、白身魚全部がスケトウダラだったわけじゃないんですが)。
実は結構知らない(と言うより日本では獲れなかったり水揚げされてなかったり)魚でいつの間にか食卓にのぼってる…というのはよくあるケースなようで。最近は表示がきちんとしてきましたからパックのどこか(意外と見落とされるのがウラ面)に魚の名前が記してあることも多くなってきました。…え? 何この魚…? というのもよくあるんでは、と…。
その中の一つになりそうなのが「ノリ弁の救世主」たる「バサ」であります。学名は「Pangasius bocourti」で、同属に「チャー(Pangasius hypophthalmus)」というのもいて両方ともベトナムやカンボジアなどで養殖もされている魚であります。
→バサ(ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑)
バサの画像はありませんがチャーの画像を見ると目が特徴的で頭が平べったくて背びれが張ってて背中が盛り上がってて…なんか、どっかで見たような…? 属名がパンガシウス。しかも大きくなるアジアキャットフィッシュの仲間…?
で、調べてみると近縁にこんな魚がいました。
→Google検索:カイヤン
学名は「Pangasius sutchi」…ペットショップだと千円足らずくらいで人差し指くらいの可愛い幼魚が買えますが…成長すると60cmとかそれくらいになる上に遊泳性が非常に高いため最終的には180cmクラスの水槽でないと飼えない、とされている魚。…すぐパニクって水槽にアタマぶつけるんで、昔は円形水槽で飼え、とか言われてた…ような気がしますがそこんとこ記憶が曖昧ではあります。
…そっか…カイヤンの近縁だったんか…と昔熱帯魚飼ってた自分なんかは妙に納得してしまった次第ではあります。
ところで表題にもした「ナマズ」ですが…「ナマズ」と「キャットフィッシュ」てのは全然違う魚なんではないかなー…と常々思っていたりします。日本でも淡水産でも海産でも「キャットフィッシュ」の仲間はいるんですが(有名なとこではゴンズイ)全部「ナマズ」で一緒くたにされてるのが現状で。
ナマズ、というとあんましいいイメージ…というよりなんか怠け者とかのんびり屋さん、とかぼやけた?イメージなんですけども、キャットフィッシュのほとんどは活発に泳ぎまくりますし姿かたちも様々ですし。…そろそろ区別してもいいんではないか、と思うのですが。
…でもあんまり意味ないかな、一般の人からしたら全部「ナマズ」で何も問題ないわけですし。
03:10 PM | 固定リンク
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コメント
大変に詳細な情報、ありがとうございます。なんだかどれもとても美味そうで、一度食べてみたいです…。
自分はカイヤンの幼魚を熱帯魚ショップで見た記憶があって、アレに似てる魚が大きくなってしかも食用になるのか…とちょっとびっくりしてしまったくちではあります。
…時折テレビ番組なんかでも紹介されてるアジアンキャットフィッシュですけども…やはりナマズとは大分違う魚なんですよねえ…こういうとこ、南北アメリカ産キャットフィッシュも似たような状況ではあるのですが。
投稿者: 信天 (Nov 27, 2008, 4:37:07 AM)
べトナム語でca basa,ca traと呼ばれています。caが魚の意味。これを日本語でナマズと訳されると少々誤解してしまいます。メコン河に自生しているので先日ラオスに行った時にはビエンチャンやルアンプラバンの市場でも見かけました。メコンデルタでは生簀の養殖に始まり、今は大規模養殖でエビに次ぐ水産輸出品になっています。ベトナムのケンタッキーやロッテリアのフィッシュバーガーもこの魚。ca basaは50kgを超える大きなものもあるようで、時々現地の新聞に載ります。個人的には生簀養殖のca dieu hongという魚が美味しいと感じますが、ca basaもバターで焼いたりするととても美味しく食べられます。外観はca traの方がbasaより精悍です。
投稿者: メコンデルタ (Nov 27, 2008, 1:39:07 AM)