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09/16/2008

「ぽち」さまざま

飼い犬の名前、1位は「モモ」(Yahoo!:nikkei TRENDYnet)
アイリスペットどっとコム 犬といっしょ(右に『犬の名前大調査!2008 結果発表』の項目があります)
個人的な感想ですけど名前としてはかわいらしいのものが多いのではないかな、と。総合1位の「モモ」もそうですけど2位の「マロン」3位「ナナ」と。男の子ランキングでも1位「レオ」同率2位「チョコ」「マロン」と…昨今の飼い犬事情がよく出ているような。昔は番犬として一軒家で飼われてた犬が多かったんでしょうけど、今はマンションで小型犬が多そうですし。飼う目的も番犬ではなくペットとして可愛がるのが主な目的。自然、↑こういう名前が多くなってしまうのではないのかな…と。
ところで犬の名前と言えばやはり「ポチ」ではないかと(古っ)。しかし↑のランキングでは2頭しかエントリーしてなかったという(モモは54頭)…やっぱり今風じゃないんでしょうか…。

さてこの「ポチ」の由来。最近は情報系やクイズ番組なんかも多いんで、そっちでも結構取り上げられてますが…なんで「ポチ」なのか。大きく分けると二つの由来があります。

1.外国語由来
これはフランス語「petit:小さい」英語「spotty:ぶちのある」「pooch:俗語で犬」が最有力であります。外人が犬をこう呼ぶのを見てそれが若干変化して定着していった…というものです(余談ですが明治の頃「外人は洋犬をカメと呼ぶ」という認識が日本人にはあったそうな。カメ=亀ではなく…「come here」を「カムヒア→カメヒヤ→カメヤ」と聞きなしてそうなった、とか)。
他にもチェコ語で「ポチ」は「こっちにおいで」という意味で犬に向かってそう言ってたのが広まった…という説もあったりします。
2.日本語由来
そもそも日本語で「ぽち」というのは小さい点とかそういう意味であった…というもの(小さな点が散らばる意の「ぽちぽち」にはブチとかまだらの意味も)。そこから班のあるブチ犬なんかに名づけられたというものではあります。例えば陶磁器では小さく欠けたところを「ホツ」と呼びます。…多分これも同じ由来なんではないか、と個人的には思っておりますが。

まあ、実際のとこはよく分かってないわけですが。何せ古いことですし。
ただ…この名称が一般的になったのは明治に入ってからで、さらに明治30年代から40年代にかけて一種のブームになったこと(明治以前の書物にも出てくるんだそうですが、それほど多くはないようです)はたしかなようで。
…かの文豪二葉亭四迷がフランス人が「petit」の意味で犬を呼んでいるのを見て拾った犬に「ポチ」と付けた…という話(関川夏央『二葉亭四迷の明治四十一年』)があってこれが広まって行ったという説も。ただし、なんか猫にも「ポチ」ってつけてたって話も載ってますんで(この辺、ポチ=ぶちなのかも)当時は犬限定ではなかったのかも知れません。
他にも有名どころでは「花咲爺さん」のポチがいます。
内容は、まあ、有名ですんで省きますが。実はこの物語成立はかなり古く室町時代辺りと言われています(年代的には室町~江戸初期と広い)。…でも有名な歌では裏の畑でポチが鳴いてて、ということは正直じいさんの犬の名はポチ? 明治より前なのに? …なんでかと言うと歌の方は明治になってからできたもので(「はなさかじじい」石原和三郎作詞 田村虎蔵作曲:1901年(明治34年)『幼年唱歌 初編下巻』)物語の方ではポチではなくて「シロ」の場合が多い、と。ただ歌の方が有名になってしまって「花咲爺の犬=ポチ」という構図が定着してしまった、という…。

なんか長くなっちまいました…最後に1910年(明治43年)の「犬の名前ランキング」をネットで見かけたんで紹介をば。
1位ポチ(15頭) 2位ジョン(13頭) 3位マル(12頭)
…うーん…やっぱり世相?を反映してるのかなあ…2位のジョン…。

04:48 PM | 固定リンク

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