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06/20/2008

気ままに旅する

そういうのが望みだったようで…。
江戸時代の天文・測量学者で詳細な日本地図を作成した伊能忠敬の問答の記録が見つかる(iza!)。本当に詳細な「大日本沿海輿地全図」をほぼ実測(自分で日本全国を歩いて…仕上げ前に亡くなってしまいましたが)して作られたことでも知られています。

この地図、実は完成したはいいけど当時の幕府にとっては「最高国家機密」扱いとされ、実際に公表されて日本人が自国の姿を目にすることができるようになったのは明治時代に入ってから、なんだそうですが…。
今のような技術のない時代です。どうやって地図作るか、と言えば実際に自分が歩いて海岸線の距離を測り、山の高さを測り、街道の長さを測るしかありません。忠敬は自分の歩幅が一定になるようにクセをつけていた…なんて話もあるほどではあります。
さらにこの方、家業の関係で学問に打ち込んだ時期が遅いことでも知られています。…そもそも「師匠」となった幕府天文方高橋至時は10も年下であり(忠敬51歳の時に師事)しかも先に死なれる、ということにもなっています。…それまでも天文や測量を独学では学んでおり、全くのド素人がいきなり全国測量なんかやったわけではないのですが(伊能家だって国学者出してる家でもあります…忠敬は養子ですが)それにしてもその執念と言うかやる気というのは素晴らしいものがあります。何せ今より平均寿命は短いご時勢でしたし。

この地図は彼の死後に「シーボルト事件」という多数の知識人が処罰される事件に深くかかわってしまう(しかも師匠の高橋家は断絶)のですが…運命とは異なもの、と思わせてしまうものではあります…。

12:15 PM | 固定リンク

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