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03/12/2008
ほーぷ!
昨日3/11、米東部夏時間AM2:28(日本時間同日PM3:28)にスペースシャトルエンデバーが打ち上げられました。積んでいるのはISS(国際宇宙ステーション)に接続予定の日本の実験棟「きぼう」の一部・船内保管室(今後必要となる様々な機器が入ってるそうで…重量制限の関係上先行させたんだそうで)。これから5月には船内実験室を、来年の春には船外実験プラットホームなどを軌道上に搬送予定、とのことで…予定としては来年には「きぼう」は軌道上における日本の活動拠点として完成することになります。
→「きぼう」日本実験棟(JAXA)
→Yahoo!サイエンスカテゴリ:日本実験棟「きぼう」
→Yahoo!サイエンスカテゴリ:スペースシャトル「エンデバー」
ISS(国際宇宙ステーション)構想はそもそもは1984年の当時のレーガン米大統領の一般教書演説から始まり、翌1985年に日本は参加を決定。その後15カ国(EU含む)が参加を表明することになりましたが…現在に至るまでには様々な世界の流れに翻弄されていくことになります。
1980年代と言えば米ソ(当時)冷戦真っ只中。アメリカとしては軍事利用目的も視野に入れての開発だったのかも知れません。が、その後ベルリンの壁崩壊からソ連解体→民主ロシアへ移行、と世界の趨勢が変わっていくことになります。ある意味「競争の象徴」でもあり、その巨額さ故に国家の一大プロジェクトでもあった宇宙開発には少しずつその役割と方針に手直しが入っていくようになります。
…これはアメリカに限った話ではなく…ロシアとなったソ連も似たようなもので。つまりはこんな大金、他へ回した方がいいんじゃないだろうか、という声が大きくなっていったということでもあります。
さらにアメリカではISSへの重要な運搬機でもあったスペースシャトルの事故が相次ぎ、シャトル運用そのものが縮小…凍結されていた時期もありました(スペースシャトル・オービターの基本コンセプトは「何回でも使える」なんですがメンテや設定にどうしても時間とお金がかかってしまいます。…これなら毎回使い捨てた方が安上がりなんでは? という話も出ています)。
アメリカができないならロシアが…という時期もありました。それでもISSには現在も人間が駐留しています。
スペースシャトルの運用も再開されて、さあ、これから…という時期なんではないか、と。ヨーロッパのESAも新しい無人運搬船「ジュール・ベルヌ」の打ち上げを予定している(AFPBBNews)とのことですし。
さらに日清食品が前回の「スペース・ラム」に続いて「宇宙いなりずし」を開発(iza!)したり、宇宙での日常服の開発(iza!)が進んでいたり、と…少しずつではあるのですが、物事がイイ方向へ進んで行き始めているような気がします。
もし人類が本気で月面や他の惑星、あるいはさらに外への開発を考えているのなら…ISSはなくてはならないモノなわけで。地上から打ち上げ→外へ…よりは軌道上から発進の方がはるか安上がりですし、安全でもあります。さらに軌道上に人間が長期間滞在することによって様々な実験や調査ができます。これは今後、どれだけの成果をもたらしてくれるのか分からないほどでもある、と思うのですが。
…それでも実際問題としては地上も軌道上もまだまだ問題山積なわけで。これらを一つずつ片付けていって、そしてまた新しい問題も解決していって。…みんなで発展していければいいなあ、と強く思っておるのですが。
02:20 PM | 固定リンク
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