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11/26/2007
なんか割り切れねえな、と
「温室効果ガス」日本、ハンガリーから排出権購入予定(Yahoo!:毎日)。例の「京都議定書」というやつで。アメリカは「あんなん認められん」と離脱・いまだに批准を拒否してますが…同じような状況で久方ぶりに政権交代となったオーストラリアでは次期首相が「うん。認めようか」という発言もしておりますが。
…日本は「やっぱり規定が守れんかった」宣言となってしまいそうな勢いではあります。
→京都議定書(Wikipedia)
→チーム・マイナス6%
では日本はハンガリーから「何を」買うのか、と言うと。
簡単に言ってしまえば向こう様が達成できた「目標値」になります。大まかに言えば世界中で1990年と比べて5%そういうガス排出量を減らしましょうよ、というのが京都議定書の狙いです。期限は2012年。カラクリ?としては…1990年の排出量を「100」として、各国でそれを「95」にしよう、と。そのためにはこれまで特に排出の多かった先進国の皆が、これから排出量を抑えて当時の「95%」にまで温室効果ガスの排出を減らせばいい。
…が。各国には各国の思惑があります。皆が一様に「-5%」と言われてもねえ…と。それまでもガス対策やってた国もあれば全然やってこなかった国もある。コトはエネルギー開発に直結してますからヘタすると自国の発展そのものにも影響を与えかねない。開発途上国の「なんでいきなりンなこと言われにゃならんのだ。まず先進国の連中が先に手本示せや」という意見もありますし。それじゃあ国によってその度合いを変えようか…となったわけです。
その内訳のうち、日本の「担当量」は「94%」で、「6%」減らせばこの目標は達成、ということになるんですが…。
どうにもこれが無理ではないか、ということで既に目標達成してるハンガリーから「減らした排出量分」を買って日本がそんだけ減らしたことにしょう、と。
…コレ自体は京都議定書でも認められていて取引で使われたお金はそういう環境保全関係に限定するとか。決して経済援助的な目的で買ってはいけない、とか、外貨獲得目的で売ってはいけない、とか…そういう「決まり」はあるんだそうですが…。
なんか、割り切れねえな、と。
京都議定書が第3回気候変動枠組条約締約国会議で決まったのは1997年12/11のこと。もう10年も前のことになりますんで、その間世界が全く動いていないわけではありません。大分事情も変わってきてます。…で、当然各国の取り組みもそれなりに成果が出てきてるんですが。
つまり日本はもう目標達成できませんよ、と宣言しちまったように見えるもんで。そりゃあ、これから5年とか4年で「-6%」を達成するのはかなり困難なことではあるのですけど…でも、これじゃあ、今までの皆の努力が意味をなさなくなっちまうような気がして…。
04:03 PM | 固定リンク
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