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06/07/2007

さみっと:特許の場合

現地時間で6日夕方(日本時間7日未明)にドイツはハイリゲンダムでサミット(主要国首脳会議)が開幕しました。
Yahoo!海外トピックス:ハイリゲンダム・サミット
ちなみに「サミット(summit)」とは「頂上」とかそういう意味になります。

開幕前は多数の反対デモなどもありましたが…とりあえず?無事に開幕してます。
今回は昨今の情勢などもあって環境問題が大きく取り上げられているようです。二酸化炭素などの温室効果ガス排出削減を求めた京都議定書の流れをどうやって継承していくか…? ということでもあるんですが、やはりと言うか何と言うか。「そろそろ具体的に数字出そうや」という欧州各国と「いやいや、そこまでは…ねえ?」と温室効果ガス削減→企業のやる気が下がる→経済活動の萎縮…を懸念する米国の間の溝はどうにも埋まらない様子ではあります。…採択とかできるんかいな、こんな状況で。
その一方で米国が歩み寄った?形になってる事例があります。
サミットで「世界特許」実現へ足がかりが(Yahoo!:産経)。これは米国が200年ほども遵守してきた「先発明主義」を他の国が実施している「先願主義」へ移行する…と昨年発表したことから期待されていることではあります。

「先発明」と「先願」とは何か、と言いますと…全く同じ特許申請があった場合:「先に発明した方」「先に申請してきた方」どっちを優先するか? ということで、米国だけは「先に発明した方」を優先してきていたわけです。
「…いや、発明してから申請するんだから『先に発明した方』を優先するのが当然だろ?」
と思うかも知れませんが…実際には後で申請してきて「実はこの発明、ワタクシが先に発明してましてね。これ、この通り開発記録などの証拠も…」とやる例もあるんだそうで。他の国ならダメですが米国では調査や裁判の結果によっては、後出しで申請しても認められるケースもあり得る。
ですが…これ、大変に時間がかかります。数十年かかってしまうこともある。その間対象物件の特許権の所在は不安定になってしまいますし、結果によってはさらに特許期間延長なんて場合もあります。…となると他の国ではもうとっくに特許期間は切れているのに米国でだけは存在している、ということになります。

現在は特許は国ごとに申請する必要があります。国際的な物件の場合、その手続きは当たり前ですが煩雑極まりないものになります。…では「世界特許」、つまりどこかに申請すればそれで世界中認められるようにできないか…? という声はかなり前からあったようではあります。それが「先申請」で各国が揃うなら実現しやすくなる、と。
…まあ、今回のサミットでいきなりそうなるわけではないのですが。
米国側としてもまだまだ自国内での議論の余地はあるようですし(何せ200年来守ってきたことですから)各国間での細かい折衝もまだまだあるわけですし。でも足がかりができただけでも大きなことだと思うのですが。

04:45 PM | 固定リンク

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