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09/16/2006

コドモなオトナ

大阪高裁。酒気帯びで軽トラックを運転、バイクを転倒させて男性を死亡させた男に「時節柄」、「割り増し」判決(Yahoo!:毎日)。昨今の事情を鑑みて…ということで弁護側は「いちいち世論に左右されるのか」と反発してます。…まあ、その気持ちはなんとなく分かるのですが…それ以前に交通事故(特に飲酒による)に対するアマさというか何と言うか。人殺しておいて死刑にならない、懲役1年6ヶ月(通常?なら執行猶予付きなんだそうな)て判決も…どうかな、と思ってしまうわけです。
Yahoo!国内トピックス:飲酒運転問題

これは「法律の抜け道」とでも言うような事態で。飲酒してもしなくても死亡交通事故を起こした場合:業務上過失致死か道交法違反でしか裁けなかったのです。どちらも死刑はありませんし、懲役刑になってもせいぜい↑のように1年とか2年とか。執行猶予がつくケースも多く、遺族の方にとってはやるせない判決ばかりでした。
それが少しずつ動き出したのが「危険運転致死罪」の設置。これは危険な運転をした場合に適用され、最高で懲役20年。こういうのは懲役の長さではかれるもんではないのですが、それでもやっと動き出した…と思った方も多かったのではないか、と。
しかし。この「危険運転致死罪」も例えば飲酒運転の場合だと大量に飲んだ「飲酒」の場合に限られる場合が多いんだそうで「酒気帯び」と判断されると適用が難しくなる。昨今(に限ったことではないのですが)ではなかなかにズル賢い運転手もいるんだそうで、検問の呼気審査を拒否したり(基本的に任意ですから)、あるいは事故起こしてもしばらく時間経ってから出頭してみたり。福岡のケースでは水を大量に飲んでから検査、なんてのもありました。
悪質なのになるとわざと駐車禁止の場所で、車内で飲酒。警官に見つかっても運転してるわけではないので飲酒運転にはならない。駐禁の方が罰則が低いのでそっちでキップ切られるだけで飲酒そのものはとがめられない。…そこまでして酒飲んでクルマ運転したいのか、という気はしますが。

基本的に日本は飲酒にアマい国、と言われています。酒の上だから、とか酔った勢いで…というのに対して寛容すぎると。そういう基本姿勢が飲酒運転の罰則軽減に繋がっているのではないか…と。あるいはクルマ関連産業への影響でも懸念されてるんだろうか…? とか。罪が軽かったら誰もそんなに気にしなくなりますがな。
いい大人なんだからそれくらい分かるだろ、とか、自分で責任取れるやつだけクルマ乗ったり酒呑んだりしろ、てな論調はもう古いのかも知れません。なんでもかんでも判断すら他人任せ。自分の小さな世界だけしか認識できない。そういう「コドモなオトナ」が増えているのが現状というのは、ちょっと悲しいけど事実なんではないかな、と最近痛切に思ってしまうわけです。

06:48 PM | 固定リンク

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