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04/27/2006
お金をキレイに
欧州の単一通貨である「ユーロ」。EU加盟国内なら全て同じ通貨で同じ単位ということになってから4年ほど経ってます。当初はやはり混乱もあったようですが(慣れ親しんできた自国の通貨単位が消滅するわけですし)、最近はあまり聞かなくなってきました…使う側も使うのを見てる側も慣れてきた、てとこでしょうか。ただし、今でも旧紙幣の無料両替は各国の銀行で行われています。が…それも2012年までがメドということのようで。さすがにその頃にになると通貨と言えばユーロしか見たことのない、てな世代も増えてくるのでしょう。
しかしそのユーロ。スペインで最高額紙幣の500ユーロ札が大量に集中していることが判明、脱税やマネーロンダリングの可能性も(Yahoo!:Kyodo)。「大量」とはどれくらいかと言うとユーロ使用圏内の実に四分の一もの500ユーロ紙幣が集中しているとのことで…紙幣としては最低額の5ユーロの流通量の2倍にまでなっている、という…。
「マネーロンダリング」とは「お金」を「洗濯」するという意味(money laundering)で、非合法な方法や、あまり外聞の良くない経路で入手した「お金」を例えば預金して口座を転々とさせたり、株券や証券を購入したりしてその「お金」素性をキレイにしてしまうことを言います。
→資金洗浄(Wikipedia)
「お金キレイにしたって別に構わねーじゃねーか」
と、思われそうですが実は「お金」の流れというのは重要な事項です。もちろん「お金」そのものはタダの信用・基準・価値でしかないのですが、その流れ…動きからは色々なことが分かります。
例えば…まあ、何か仕事に就いてる(あるいはバイトでも何でも)人がいるとして。当然、給料日になればお金が入ります。つまり働き先からその人の手元に一定額の「お金」が「移動」してきたわけです。
その「移動」してきた事実というのは調べればすぐに分かります。普通のサラリーマンではあまり意識してませんが、会社側は人件費という「支出」として給料の「移動」をばっちり記録してます。銀行振込みなら銀行の記録にも当然残りますし、手渡しだって金融機関を介していないだけで記録は残ります。
で…その記録を調べるとその「お金」がどこから来たのか、どうやってその人の収入になったのか…が分かってしまいます(簡単に調べられるわけではないのですが)。もちろん、給料を払った働き先だって同じ。働き先が得た収入はどこからどうやって…てなとこまで調べればさらに分かるわけで。
…てことは、ヤバイ仕事で入った「お金」てのは自分の首をシめることになりかねない。ヘタに調べられてヤバイことのシッポつかまれるわけにもいかない。
で、「お金」を複数の金融機関を転々とさせて素性を分かりにくくする。外国の銀行、それもあまり関連がなさそうなところが使われます。預けられる側は知らんかった、てなケースもよくありそうな。あるいは自国ではなくこれも外国の株に変えてしまう。そこから利益が出ればキレイになった、と。いや…利益が出なくても、株ですからしばらく待ってから売却すればそれでOK、と。
日本でも口座を開設する時の審査が厳しくなったりとか、複数の口座を持てないようになったりとかしています。コトは一国内だけではなく。国際的な問題にまで発展する可能性もあったりしますから…。
09:18 PM | 固定リンク
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