04/08/2006
事実はそれこそ闇の中
イスカリオテのユダ、と言えば「裏切り者」としてよく知られている人物。キリスト教徒でなくてもその名は宗教画にとどまらず劇、小説、映画、あるいはマンガやゲームでもやはり「裏切り者」となっている、という…皮肉?な知られ方をしています。
キリストの13番目の使徒、とされていて会計の任を担っていたが不正も多く、ついには金に目がくらんで当時キリストを狙っていたローマの官憲に所在を通告、キリストは磔の刑になってしまいます。ユダ本人は…そのことを悔いて自殺してしまったという…。
しかし。実はユダはキリストの忠実な弟子であり、ローマの官憲に引き渡したのもキリスト本人の意思で、ユダは裏切りなどしていないという説が浮上してきているとのことです(Yahoo!:読売)。
研究が進められていたのは「ユダの福音書」です。「福音書」とはキリストの言行を弟子が記したもの、とされている書で、新約聖書に記載されてます。じゃあ、12使徒全員分が現存しているのか、というと…マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4使徒が載っているのみです。
私は別にキリスト教徒でもありませんし、神学を志していたわけでもないのですが。
聞きかじった知識によりますと、世界最古の書物とされている聖書、これは現在今まで全て全く同じ内容だったわけではなかった、という話があります。途中で何回も編集が入っているというわけです。何せ約2千年の長い歴史を持つ宗教ですから様々な説話や伝承が入り込んでくる。
そのうち内容があんまりよろしくない、とされたものは「外伝(げでん)」や「禁書」に指定?されて聖書には載らなくなります(未来永劫ではなくて復活した事例も…あったっけか?)。…ここに「ユダの福音書」も含まれているようです。なお、これが異端の禁書に「指定」されたのは2世紀くらいとされています。ちなみに…例の「666の獣」とか「ハルマゲドン」とか記載されている、とされている「ヨハネの黙示録」ですけど、そもそもはこれも「外伝」なんだとかそういう話もあります。
でも、「ユダは裏切り者ではない」という記載があったとしてもそれが本当かは、もう、誰にも分からないわけで。
イメージとして定着しきってますし。ユダ=裏切り者と。ハイエナ=腐肉あさりの卑しいヤツ、と同じようなもので。実際は集団できちんと?狩りや獲物の強奪をしているのに姿形から「おこぼれを狙ってる」と長い間勘違いされてた、という…ハイエナ。
こういうのの事実なんか判明するわきゃないんですが…でも、様々な角度からの検証や色々な証拠からの解説。そういうので既知の概念を打ち払う、てのは期待させてくれるような、どこかワクワクドキドキさせてくれるもんがあるんですが…。
03:26 PM | 固定リンク
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