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06/13/2004

36年ぶりの命名

フタバスズキリュウ、という古代の海生爬虫類の一種がいます。1968年、現在の福島県いわき市で当時高校生だった鈴木直さん(現在52)が双葉層群(白亜紀)で発見、当時国立科学博物館主任研究官だった長谷川善和さん(現在74・群馬県立自然史博物館長)らの研究によって日本にも大型の爬虫類がいたことが確認されました。
このことがきっかけで一種の「化石ブーム」が起きたりして。そー言えば「○○のひみつシリーズ(学研)」の中の化石関連のでこの話もあったような。「フタバ」は見つかった地層名、「スズキ」は見つけた鈴木さんから、と。

で、そのフタバスズキリュウですが36年ぶりに命名されるんだとか(Yahoo!)。…和名じゃなくて学名ですが。

「フタバスズキリュウ」というのは基本的に日本国内でしか通用しない名前なわけでFUTABASUZUKIRYUとやっても知ってる外国人には分かっても…日本語知らない人には分からない。そこで学名という全世界共通の名前があります。
もちろん細かい制約がたくさんあるわけですが、一般的には二つの部位からなる、ラテン語の名前をつけます。(属名と種小名:あくまで一般的にはこの二つを連続して呼んでいる、ということで…)これは動物だろうが植物だろうがやり方は同じで、さらに界>門>綱>目>科>属>種と階層をなして分類・命名されていきます。
…それがフタバスズキリュウの学名は今まで "Elasmosauridae gen. et sp. indet" でした。「なんだ、学名あるんじゃないか」と思われるかも知れませんが "gen. et sp. indet" ってのは「属種未確定」ってことで、属の上に位置する「科(普通は省略されてる)」である "Elasmosauridae" には属してるけどその下はまだ決まってないよ、種としての国際的な名前もないよ…という状態だったわけです。

学名をつけるには論文を発表する必要があります。しかし…色々と事情があったようで。ようやく長谷川館長が論文を完成、今年夏にも海外で発表できそう…とのこと。
長谷川館長曰く「大きな宿題がようやく片付きそうだ」とのことです…。

03:09 AM | 固定リンク

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